思いがけなく
ドローンの会社を立ち上げる
引退して始めた「釣り」がきっかけで、小魚の群れで海面が波立つ「なぶら」にドローンを使って針を投げ入れて釣りをするのは「世界初の大物を釣る方法」だと思って、ドローンスクールに通い始めた矢先に、YouTubeで既にやっている人がいた事を知って一気に興味が失せてしましました。それでもせっかく始めたドローンなので空撮の仕事をやろうと思い、そのための練習場が欲しくなってここの土地を購入しました。当時はまだドローンの世界も狭かった頃で、その練習場には自然にドローンをやっている人達が集まってくるようになりました。最初はそういう人たちに勝手にやらせていましたが、「お金を払わないとやりづらい」と言われて、1日1,000円をもらうようにしました。そのうち常連さんから会社にしてほしいという声が上がりましたが、ドローンでは儲からないと断っていました。ところが「会社を辞めてきたので、会社を作って雇って欲しい。」と懇願され、仕方なしに「DRONE★VILLAGE YACHIYO」という会社を作る事にしました。
会社を始めた限りはこのままでいくと赤字続きになってしまうと、伝手を頼って映画会社に営業をかけましたが、以前墜落事故などがあってドローンを使うのは消極的だったので、安全な最新の機種を持って行って説明したところ、試しに使ってもらえる事になりました。その結果、評価がすごく高く「これなら使える」と映画でどんどん使ってもらえるようになり、CMの話ももらえるようになりました。現在は空撮、スクール、練習場、機体の製造などドローンに関する幅広いサービスを提供できるようになったので、ドローンの仕事もいずれは誰かに繋げたいと考えています。
一方コーヒーの仕事はもっと奥が深く未開発な事業で、常に自分で考えて、実験して、調べてやっていくので8割は失敗になるかもしれませんが失敗も答えで、正解を探しながら人を育て、事業を育てていく仕事なので最高です。コーヒーの仕事は、もしかしたら20年かけてやっていくかもしれませんが、それでも後継者を育てるのは10年以内にやっていきたいと思っています。
今は休業中のフードトラック
農園のマスコットのヤギ
「ジャパニーズゲイシャ」に
チャレンジする
今断然燃えているのは、高級コーヒー豆で話題の「ゲイシャ」を日本で栽培して「ジャパニーズゲイシャ」の父になる事です。「ゲイシャ」という豆は、元々エチオピアにある「ゲシャ」という町で発見された豆で、当初は「ゲシャ」で通っていましたが、それがパナマに渡って「ゲシャ」が「ゲイシャ」になって、「ゲイシャ」という名前が定着して、世界中で「ゲイシャ」と呼ぶようになってしまいました。この豆は1kgで600万円の高値が付いた事から、大変話題になりました。
この豆は偶然「ゲイシャ」という名前なので、「芸者」と被っているのを利用して、10年後、20年後には「ゲイシャ」をジャパニーズブランドにして「ゲイシャって日本じゃない?」と言われるまでに持って行ければと思っています。
「ゲイシャ」は栽培が難しいと言われており、私も「ゲイシャ」の栽培の難しさは未だ分かっていませんが、一般的な品種「ティピカ」は芽が出たら普通に育つのに「ゲイシャ」の場合は苗の死亡率が高くなってしまいます。私の栽培の仕方が悪いのか、他の原因があるのか、今は実験している最中です。3月~4月に撒いて6月~7月に発芽するのが普通ですが、それでは年に2~3回しか植える事が出来ません。もっとコンスタントに植えて栽培する事が可能になれば、12カ月のサイクルでコーヒーを出荷できるようになるので、毎月1日に植えてみて実験している所です。でも、私一人でそれをやるより、20人の仲間でやれば20年分が一気に出来るのでそういう事をやって、確立させていきたいと思っています。20位の農園が参加してくれて「ゲイシャコーヒー協会」の様な団体を作り、月2回位ZOOM等を使って育て方や悩みを共有していければと思っています。
出来た「ゲイシャ」の販売は、私が世界に売って行くプランで進めたいと思っています。5年後に「ジャパニーズゲイシャ」が1kgあたり1,000万円位で売れるようになれば、国内ではなく、海外に向けてプロモーションをしたいと思います。「芸者」の扮装をした女性と豆をミルしてドリップするプロで「ゲイシャドリッパーチーム」を編成し、「ショーアップ」して「芸者」がコーヒーを淹れるスタイルで海外のセレブ達に提供すれば、世界でも有名になれるし、日本でもニュースで取り上げてくれるでしょう。
「ジャパニーズゲイシャ」が千葉の発祥で、千葉の産業として確立されれば、落花生という「豆」からコーヒーという「豆」に移行できて、それで文化を作っていくのが最高だと思っています。私は楽しい事が好きで、そういう事を考えているとワクワク感が止まりません。

ジャパニーズゲイシャを知ってもらうため作ったパネル
ハウスの中には大量の苗が育っている
大きな施設が無くても栽培できるゲイシャドーム
ゲイシャドームの中は温度管理ができるようになっている