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千葉のきらりと光る
社長へのインタビューをご紹介。
社長の熱い思いを語っていただきます。

エネルギーの自産自消の
実現を目指して
オーガニックアクション
宣言企業
 ハナダ電機技術工業は、千葉県木更津市で2017年11月に電気工事とリフォーム工事を目的として開業しました。専門は電気工事ですが、長く住宅業界で仕事をしていた経験で自分でも大工工事や左官工事などもやっています。また、自分で出来ない工事は専門の職人さん達が手伝ってくれるので幅広く対応できるようになっています。
 本来は電気屋なので住宅会社と契約をして電気工事の請負業者としてやっていた方がある程度の仕事は確保できます。しかし、開業の際に「エネルギーの自産自消」「人との繋がり」をコンセプトに事業活動を行っていこうと決めたので、8割はエネルギーシステムのご提案、残りの2割が電気工事やリフォーム工事をという比率になっています。
 ハナダ電機技術工業がある木更津市は、「持続可能な未来」を創るために地域、社会、環境に配慮したまちづくりを目指し、「オーガニックアクション」を推進し、企業にも「オーガニックアクション宣言企業」として登録することを推進しています。
 私はオーガニックアクションとは、関わる企業がそれぞれ得意とする分野を持ち寄り、それを組み合わせて地域の問題を解決していくものだと解釈しました。私は電気関係を得意とし、それを地域に役立てていきたいと思っているので、ハナダ電機工業も「オーガニックアクション宣言企業」に登録しました。
 自分で作ったエネルギーを自分で消費する「エネルギーの自産自消」の話や、太陽光やプロパンガス発電機、蓄電池を使った「依存しないエネルギーシステム」の仕組みの話は一般の方には伝わりにくいと考え、太陽光パネルとバッテリーを組み合わせ、イベントで使う電源を全てまかなう実演をする事でこの取り組みをして知っていただく機会を作っています。
ハナダ電機技術工業
オーガニックアクション宣言企業の認定証
ハナダ電機技術工業のコンセプト

コンピューターの
中身が知りたい
 私の出身は君津市で、中学時代に「これからはパソコンの時代だ」と思うようになり、その方面に進学することを考えました。君津商業など商業高校にはソフトウエアを教える学科はありましたが、私が興味を持ったのは「コンピューターの中身が知りたい」という事だったので当時県内に1校1クラスしか無い千葉工業高校の情報技術科に入学しました。
 学校はコンピューターで使う半導体などのハードを開発する事を教える学科で、先生たちは皆大手電機などに勤務したことのある専門家の先生でした。先生の言葉で今でも覚えているのは、「ソフトの開発者の寿命は35歳で若い人には勝てなくなる。だから仕組みを覚える事と困った時にどのマニュアルを見たら良いか判断できる知識をつけなさい。」また「人は嘘をつくが電気は嘘をつかない。計算通りにならない場合は、測定方法や計算式が間違っているか、回路自体が違うからだ。」という言葉でした。この言葉は今でも実社会に出て仕事をする上で役に立っています。
 そんな高校を卒業し就職した先が、市原市八幡にある富士電機でした。入社して送電線などの開発部署に配属され、変電所の機器の実験や電力会社との共同研究のサブ担当として研究にも携わらせていただきました。データを取ったり、資料のまとめ、プレゼンをしたりと色々と勉強させていただくことができ、24歳の時には山口大学で開かれた電気学会で論文発表までさせていただき、良い経験になりました。
 運悪く25歳の時に所属していた部署は解散となり、私は川崎のシステム関連の部署に異動になりました。元々自分はシステム開発には向いていないと思っていたのでそれを機に退職しました。
 その後高校時代に取得していた電気工事士の資格を生かして電気工事の会社に就職し、工事現場で大工さんなどの職人の世界で働くことや、施主さんとのやり取りなど営業的なスキルも身に付けることができました。
 次に転職したのはエアコン、アンテナ工事などの施工管理を主に行う会社でした。電気工事部門で太陽光パネルを扱う経験もし、施工管理や営業も経験しました。
 その会社も6年勤務した後、一身上の都合でたいしゃしました。いわゆる「ドロップアウト」です。次の仕事をどうしようかと考えていた時に、アルバイトの工事の仕事に行った先で偶然知り合った「ひとり親方」でやっている若い電気屋さんに触発され独立する決心をしました。
 開業当初は知り合いだった不動産会社から店舗リフォームの仕事をいただきスタートし、そのうち他からも仕事の話をいただけるようになった事で改めて「人のつながり」の大切さを感じました。
ハナダ電機技術工業
イベントでエネルギーの「自産自消」について展示
小学校の放課後教室の夏休み企画で子供たちとソーラーパネル電力で遊ぶなどボランティア活動も実施している
技術や能力や知識は「困った」を解決するもの
 太陽光発電や蓄電池に注目するようになったのは、前職でかかわった長野の診療所の「太陽光発電を主電源とした自己消費型システム工事」でした。東日本大震災がきっかけで、もし同じような災害が起こった場合、診療所の機能を止めないようにするための太陽光と蓄電池を組み合わせたシステムが必要だという事になりました。当時はまだなかったシステムだったので、神戸にある開発元が3年がかりでカスタマイズして完成させた過程を体験させてもらいました。
 この経験で技術や能力や知識はこのような「困った」を解決するためのもので、太陽光発電システムや蓄電池は「本来こういう事のために使うもの」だということを痛感しました。
 私はこの経験で太陽光発電や蓄電池のシステムを独立を機に「依存しないエネルギーシステム」として、メインとする事にしました。
 この様な仕組みや考え方を多くの方に知ってもらうために、木更津のアーティストのイベントにボランティアで参加して必要な電気をすべて賄う実演をしたり、近隣の地域のイベントに参加したり、地元の木更津高校の「自然エネルギーを利用したLED点灯実験」では太陽光パネルを2枚寄贈して生徒たちと一緒に実験に取り組んだり、「高校生レストラン」で有名な三重県立相可高校のバイオマスプラント移設のクラウドファンディングに協力するなど高校生たちの活動の支援など、県を越えた活動もしています。
ハナダ電機技術工業
地元木更津でのイベントに参加
相可高校の高校生たちと記念写真
エネルギーの自産自消に向け
ホップ・ステップ・ジャンプ
 山の中で見かける野立てといわれる太陽光発電システムの多くは、発電した電力を一定期間、固定価格で買い取るFIT制度を使って売電収入を得るための投資物件として設置・運営されています。20年後には設備投資した金額の約倍の売電収入が得られる投資物件として扱われたりしています。その制度が終われば太陽光パネルは皆ゴミになってしまう可能性が高いと思います。
 太陽光は再生可能エネルギーの中では手軽にできるという理由で採用され、全国的にも比率が高く、その発電量は九州地方では全発電電力の約3割程度になったとか。また、原発何基分の発電量を賄えるようになった、などとという話もありますが、実際には安定しないそれらの電気を調整している電力会社の費用がかかっています。遠く離れたクリーンエネルギーを使いたいと新電力の会社と契約しても、実際に届いているのは近くの発電所で発電された電気という実態もあります。
 私自身、脱原発派でもクリーンエネルギー派でもないですが、「使う所で使うだけの量を作り出せるシステム」の方が、ロスが無くエネルギーを使うことができるのではないでしょうか。私はそういう事を一般の方、特に企業や地方公共団体などに伝えていきたいと思っています。
 2020年6月5日に木更津市、日産自動車、千葉日産自動車、日産プリンス千葉、日産サテオと私、ハナダ電機技術工業の6社で「電気自動車(EV)を活用したまちづくり連携協定」を締結させていただきました。私自身は一人で事業を行っている個人事業主。発信力は弱く、企業などに私の話を聞いてもらう事が難しいのですが、この協定締結を機に私の考えを聞いてもらえる機会が増えると思いました。
 私のこれからの目標は、この「わが街木更津」に「エネルギーの自産自消」を実現したコミュニティを作り、そのモデルをパッケージ化して全国に広めていく事です。  それは、クリニックモールのように、学童保育施設や老人ホーム、デイサービスそれに避難所にも成り得る公共施設のような4つ位の施設がテナントとして入居し、電気や熱や水をその施設内でまかなえるものです。
 この様な取り組みは、大きい規模でやろうとすればコストや法的制約、個人住宅でも多くのコストがかかり現実的には難しい点があります。数件のテナントが入るような小規模施設なら現実的でコストを抑えて作ることができると考えています。
 私が創業してから2年半、現在を三段跳びにたとえると「ジャンプ」の年を迎えます。今まで活動してきた事を具体的にパッケージ化し、それを全国に発信して広めることができるように進めていきたいと思っています。
ハナダ電機技術工業
電気自動車を活用したまちづくり連携協定締結/イベントでリーフから電力供給を行うデモ
ハナダ電機技術工業
企業名 ハナダ電機技術工業
事業
概要
電機を中心とした省エネ提案及び
機器販売、リフォーム工事業
住 所 〒292-0814
千葉県木更津市八幡台3-18-10
電話
番号
TEL:0438-38-0026
H P
その他資格 登録電気工事業者、
2級電気工事施工管理技士、
第二種電気工事士、
認定電気工事従事者、
DD第三種
(2020/8/07)


〈編集後記〉
  昨年の台風被害の時に商売抜きで復旧作業の手伝いや情報発信に尽力されていた花田さん。花田さんが言う「エネルギーの自産自消」はこんな時こそ役に立つもので、昨年の台風被害でも、早く有効な情報をもらうことができたそうです。知り合った人との関係を大切にされているからでしょう。3年間の目標を着実に実行されている花田さん。開業3年を迎える今年の花田さんは注目です。
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