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【ちばのへり】
 海と川に囲まれた千葉県の「へり」には何があるのか。ビジネスの種が見つかるかもしれません。そんなビジネスの種を見つけるため、「ちばのへり」コーナーではそんな「種」を探してご紹介します。
Vol.74 【ちばのへり】三番瀬(さんばんぜ)
三番瀬(さんばんぜ)
魚介類が豊富な「三番瀬」
 「浦安市、市川市、船橋市、習志野市に跨る東京湾の干潟は三番瀬と呼ばれています。「三番瀬」は「さんばんせ」と言われがちですが、正しくは「さんばんぜ」で古くから漁業関係者が使用していた「漁場の通称名」からそう呼ばれるようになりました。現在は三番瀬東端のエリアは船橋航路や千葉港、西端には猫実川河口や日の出の埋め立て地が広がっていますが、埋め立て地が出来る以前は、干潟や浅瀬が旧江戸川の河口付近まで広がっていました。現在は市川市と船橋市の沖に広がる浅瀬や干潟を総称して「三番瀬」と呼ぶことが一般的になっています。
 「三番瀬」がある海域は、水深5m以下の浅瀬が3~4kmの範囲で広がっています。この浅瀬は潮の干満によって土の中に酸素が供給されているためハゼやアサリ、カニなどの生物が多く生息し、それを目当てに水鳥たちが集まります。更に周辺には「谷津干潟」や「行徳湿地」など、渡り鳥がやって来る「干潟」や「水辺」も広がっています。
 東京湾の中でも屈指の漁場のひとつで、海苔、アサリ、スズキ、カレイ、イワシなどが漁獲され「江戸前」として流通していました。また、江戸時代には「三番瀬」は「御菜浦(おさいのうら)」と呼ばれ、将軍家に新鮮な魚介類を納める重要な役割を果たしていました。
ふなばし三番瀬と谷津干潟
ふなばし三番瀬
谷津干潟

海水の増減によって生まれた「三番瀬」
 「12万年前の東京湾は現在より海水面が高くなっていたため、房総半島は島になっており、この頃の東京湾は「古東京湾」と呼ばれています。7万年前から1万年前までの「最終氷期」と呼ばれる旧石器時代になると、海水面は現在よりずっと低く、東京湾の入り口の浦賀水道から北は陸地になっており、「利根川」と利根川支流の「渡良瀬川」が合流し大規模な峡谷を作っていました。その後6000年前には海面が現在よりおよそ4m上昇し、東京湾は現在の埼玉県川越市付近まで湾が拡がっていました。
 今から3000年前には「縄文海退」が始まり、「利根川」「渡良瀬川」流域は広大な氾濫域や低湿地になりました。
 有史時代に入ると氾濫域や低湿地だった土地は次第に人工的に埋立てが行われ、江戸時代には幕府によって沿岸の埋立てが更に進み、江戸後期には外国船来航に対する湾岸防衛のために品川沖に「台場」も築かれるなど、東京湾は人の手によって変化していきました。
 東京湾で豊富に獲れる魚貝類は、世界最大の人口と言われた江戸の庶民の食を満たし、獲れる魚貝は「江戸前」と呼び名が誕生しました。
 明治時代以降になると東京湾沿岸や流入する河川の流域は都市化・工業化が進み、埋め立て地拡大に伴って「干潟」や「浅瀬」が大幅に減少すると共に水質悪化の深刻化が進み、1970年代(昭和40年代~50年代)にピークを迎えました。そのため海の生き物は激減し「死の海」と呼ばれる状態にまでなってしまいました。1980年代(昭和55年~60年代)になってようやく環境保全の取り組みによって水質の改善がみられるようになり、現在は徐々に生態系を取り戻しつつあります。
東京湾
江戸時代の東京湾
現在の東京湾を望む

干潟
かつての市川の干潟は工業地帯が作られた
綺麗になった干潟には様々な生物が生息している

保護活動で復活した「三番瀬」
 全国的に浅瀬や干潟の減少が進む中、三番瀬のような数多くの「海浜生物」が生息できる環境は極めて少なく、魚類が産卵し幼魚が育成する場所として貴重な存在になっています。また、周辺の都市から排出される生活排水や産業排水などで「リン」や「窒素」が増加し、餌となるプランクトンが増殖する環境も整っています。アサリをはじめ様々な生物がそれを消費し、波による海水の循環が水質悪化を緩和・浄化する機能も果たすと共に、渡り鳥にとっても重要な中継地になっています。
 2006年(平成18年)12月に千葉県は「千葉県三番瀬再生計画(基本計画)」では「三番瀬」の自然環境の再生・保全と地域住民が親しめる海の再生を目指す計画が施行され、「三番瀬」の再生に関する基本的な方針、構ずるべき施策や推進方法を定めて、各事業に取り組みました。また2014年(平成26年)には「千葉県三番瀬再生計画(第3次事業計画)」によって更に新しい取り組みが施行されました。
 国際自然保護連合(IUCN)は地球規模で絶滅の恐れのある野生生物を選定した「レッドデータブック」を作成しましたが、千葉県も「三番瀬」に生息する動植物を含んだ「千葉県の保護上重要な野生生物―千葉県レッドデータブック―」を作成する事で保護活動推進に役立てています。
 1982年(昭和57年)にオープンした「ふなばし三番瀬海浜公園」は、潮干狩り場や芝生の広場、テニスコート、野球場などのスポーツ施設を備えた運動公園施設でした。2017年(平成29年)7月には新たに「三番瀬」の魅力を体感しながら環境について学べる施設「ふなばし三番瀬環境学習館」もオープンし、訪れる人達に「三番瀬」について学んでもらえる場が完成しました。
 一方、市川市でも2023年(令和5年)8月に「市民が海に直接触れる事が出来る場」によって「環境意識の醸成」してくれる事を目的に、干潮時でも水没している「塩浜三番瀬公園真野海岸」に幅100m、奥行き50mの干潟を整備する事など、三番瀬周辺ではさらに環境整備が進んでいます。
 生き物が生息する場、日本でも稀有な「三番瀬」を抱える千葉県は、三番瀬の保護を通して、「江戸前」を守る貴重な場所として更に認識されていく事でしょう。
ふなばし三番瀬海浜公園展望デッキ
ふなばし三番瀬海浜公園展望デッキ
展望デッキからは三番瀬が一望できる

(2024/5/10)
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