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ぴかいちば
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千葉のきらりと光る
社長へのインタビューをご紹介。
社長の熱い思いを語っていただきます。

樹木の伐採で
地域に貢献する
サラリーマンから木こりの道へ
 花澤基工は、木の伐採をする山師(※注1)とアルミ建材の設計施工を主な仕事としてスタートしました。
 地域の人たちからは依頼された木を伐採する「木こり」として認識されていますが、知り合いの工務店から見れば「サッシ屋」として、見る人によって認識が違っているのが実態です。地域の消防団にも所属しているため、地域の方とのつながりも多く、地域に根付いた活動をしています。
 また、CADオペレーターや工場管理の仕事をしていたため、工場はもとよりエンジニアや様々な職種の方々とかかわりながら、日々発生する問題の解決や改善する仕事をしてきているので、地元の方からの様々な要望に対応し、今までの経験と信用を活かして責任の持てる専門家を紹介するなど一人総合建設業的な活動になっています。
 2019年に千葉県を襲った台風で当時私が勤務していた工場も被災し、他の地域で工場を再建する事になった事をきっかけに、今まで培った知識と技術を地域のために役立てたいと思い、退職して地元の南いちはらで花澤基工として起業する事にしました。
 独立して直ぐは台風被害の影響でサッシやシャッターなどを扱う専門業者が不足しており、「花澤が独立したらしい」と噂を聞きつけたサラリーマン時代のお客様から修繕工事などの依頼が続々と舞い込んできました。また、元々地域で実家が山仕事をしている事は知られており、「また台風が来ると心配だから木を伐ってほしい」といった相談も多くいただきました。伐採の依頼を受ける中で台風の被害にあった樹木の大半は40~50年前に植林され、放置された杉の木が大半でした。また雑木林でも手入れがされず立ち枯れした大木などが、その当時、台風で折れて倒木となり道路をふさいだり電線にかかったりという被害をもたらしました。危険木とされるかかり木や、大きな枝や幹が折れてぶら下がったままの状態になってしまった木も多くあり、今も台風などによる風倒木であちこちに被害が出ています。
花澤基工
生活道路を塞ぐ風倒木
予防伐採した樹齢120年の杉の木

代々続く山師の知識と
空師の技術を現代に
 市原市柿木台周辺は50年前まで農林業が盛んな地域だったので、20年ほど前までは地元の大工さんから注文を受けた木を卸すため、山師の大先輩たちが一族の山に入り、木を切ってそれを山から降ろすという姿を見る事が出来ました。学生時代の私は週末になると父親や山師の大先輩と一緒に山へ入り、伐採の準備やワイヤー張りを手伝いながら、樹木の特性や、昭和初期の重機や動力が無かった時代の物理学や力学を上手く使った伐採搬出方法を見たり聞いたりしました。その体験は私の根幹を作る貴重な経験だったと思います。
 山師のなかに空師と呼ばれる樹上技術を持つ職人がいます。植林した杉や檜の枝打ち作業のために木に登り、効率よく作業を行うため地上に降りずに木から木へと飛び移るのでした。旧来の空師は命綱も使わず15m以上の高い木の上で作業を行う高い身体能力と感性がモノを言う業種でした。近年では高層ビルや鉄塔など高所作業用の装備品を応用するなどして樹上作業に用いる技法が進んでおり、欧米では樹上作業用に特化した装備品が続々と開発されています。インターネットの普及で情報と共に海外製品の輸入が容易になってきたこともあり、安全基準の高い欧米式の樹上作業用装備品が手に入りやすくなりました。
 2019年の台風の直後に「裏庭の木が大きくなりすぎたので業者さんに伐採を頼んだけれど出来ないと断られてしまった」「クレーン車が入れないからこの大木は伐れない」などと話を聞くことが増えました。そこで最新式の樹上作業用の装備を導入し安全面と作業性を両立させ、風雪害で発生した危険木や支障木、クレーン車が入れない環境でも樹上から安全に伐採を行う特殊伐採サービスを開始しました。
 林業の衰退と共に表舞台から一度姿を消した空師の技術が、数十年の時を経て台風で被害を受けた地元に返り咲きました。
花澤基工
ロープ技術で高木に登る空師
樹上から伐採作業を進める空師
ものづくりと
安全衛生を学んだ環境
 ものづくりをする人たちは必要な物は自分たちで作るのが当たり前と言われており、父親も農機具の修理や山仕事をするために必要な治具や工具は自分たちで作っていました。父親の作業場は小型の切断機や溶接機、コンプレッサーなどの設備がありました。そんな小さな鉄工所のような環境で父親の工具や機械に触れながら学生時代を過ごしました。
 私が高校を卒業する頃には地域の林業は衰退していたため京葉工業地帯の大手メーカーに就職するのが主流でした。高校を卒業して直ぐに大手建材メーカーの指定工場に就職しました。当時従業員は40名程度の会社で選んだ理由は工場の中でものづくりがしたかったからでした。
 工場の仕事は子供の頃から機械に触れてきている私にとって実力を発揮できる良い環境でした。「すぐに仕事を覚えてしまうし感がいい」と私の働きぶりを見た建材メーカーから出向していた工場長から、入社早々にメーカー本体への出向を命じられました。出向して配属されたのは生産管理部でした。そこで製図の基本から法令に沿ったものづくり、工場の管理を実践しながら勉強する事が出来ました。
 メーカー本体で働いて22歳になった頃にメーカーの上層部の方から在籍している指定工場に「新たに管理部門を立ち上げるのでお前がやってみろ」という直接指示を頂き会社に戻って1から管理部門の立ち上げを行いました。
 管理部門の立ち上げを終えた私は、当時まだインターネットも普及していない環境下で生産管理システムの構築や生産現場から建設現場まで一貫した合理化などにも携わり、様々な状況の中で人が働く環境や安全衛生についての考え方が自然と身に付いていました。
現場の改善から得た発想を
商品化
 現在、地元消防団で副分団長を務めています。消防団活動の中で毎月行われる設備の点検や毎年行われる消防訓練の中に、毎回スムーズに進まない場面があり、その都度面倒な作業を繰り返すのであれば専用の治具を作って効率よくしようと思い立ちました。ちょうど独立して事業の看板になるモノが欲しいと思っていた矢先だったので、市原商工会議所を通じて弁理士の先生に相談しながらアイデアを独自の商品とするため特許を取得しました。
 現在、コロナ禍で消防団の活動は自粛傾向にあるため、社会情勢を見ながら商品化と全国展開に向けて準備を進めています。
花澤基工
訓練の準備をする消防団員
額装された特許証
伐採業から
新しい形の林業へ
 林業は伐採した木を材料として販売するまでの仕事ですが、私がやっている仕事は「この木は大きくなりすぎたから切ってほしい」「建物を建てるから切ってほしい」と依頼され、木を伐採して片付ける仕事なので単に「伐採請負業」です。
 外材の輸入自由化政策で衰退してしまった日本の林業ですが、脱炭素社会的な視点で見てみれば、海外の山から木を伐採し、トラックで陸送して港に運び、船で日本まで運び更にトラックで陸送して全国に供給するのであれば、日本国内で伐採して運んだ方がよほど二酸化炭素の排出量は落とせるのではないかと思います。しかし日本の昔ながらの地域産業的な仕組みでは合理的なビジネスに繋がらないため、海外から輸入する流れは簡単には変わらないと思います。
 そんな中で実際に木の伐採をしていると、名木が欲しいと言う人が現れる時があります。しかし需要に応じた価格で供給するのはとても難しいです。そこで伐採した木を更に小さく切り、容易に搬出できる大きさにしてSNSで発信する事にしました。現在、地元で繋がった芸術家の方やDIY好きな方へ届き新しいビジネスになろうとしています。
千葉県に
樹上作業装備の専門店を作りたい
 山師の仕事の方は、おかげさまで今は営業をしなくても口コミでお話をいただいています。ただ地元や知り合いが中心なので、もう少し広域に広げられたらとは思っています。
 その活動の中で、安全で確かな作業と共に欧米式の樹上作業装備を使用しながら、少しでも安全に仕事が出来るように、また安全を確保するための情報を専門家はもちろんの事、一般の人たちにも発信していきたいと思います。
 現在、日本国内の樹上作業用装備の需要はまだ薄く、取扱店が少ないため手に入りにくい状況にあります。
 サラリーマン時代から趣味にしているアメリカンクラッシックカーは20年の付き合いで、修理や車検でお世話になっている専門店のオーナーが、北米で輸出業務をしている事から、装備品の現地購入と輸入代行をお願いしたところ、現地から調達できるようになりました。それを知った同業者の方々から譲ってほしいとお願いされ、今では受注販売するようにもなりました。かなりニッチなビジネスですが店頭販売を目指しています。
 当初の計画では昨年春には法人化して、輸入した装備品の販売はもとより、自社オリジナルの商品開発まで行い安全で合理的な装備品を広める会社にしていきたいと準備していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で日々変化する社会情勢に翻弄されながらも、一つ一つ準備を重ね計画を進めています。
花澤基工
樫の大木を薄くカットして需要を見出す
輸入した樹上作業装備品やロープなど
注1.山のどこにどんな木をどのくらい植えるかを考えながら植林し、必要に応じて木を間引きや伐採をしている人。
花澤基工
企業名 花澤基工
事業
概要
樹木伐採、高木剪定、特殊伐採
外構・エクステリア工事
住所 〒290-0548 
千葉県市原市柿木台367-2
電話番号 090-3531-1340
HP HP:
https://hanazawakikou.business.site/


Instagram:
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ブログ:
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その他資格 特許第6732336号
発明の名称:定規
(2021/10/8)


〈編集後記〉
 
 インタビューした小屋は、大工さんと一緒に手作りしたそうで、使っている木材は全て自分の山の木を使っているそうで、昔ながらの工法で建てられた立派な建物でした。ある時訪ねてきた建築士さんがこの小屋を見て、大工さんを紹介してほしいと頼まれたそうですが、その大工さんはもう引退してしまったようです。
 便利にはなったものの、昔からの技が次第に無くなっていくのは残念な事ですが、花澤さんは昔ながらの技を継承しつつ、現代の「技術」として再構築して残していく人の一人かもしれません。これからも花澤さんの活躍が楽しみだと感じました。
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