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千葉のきらりと光る
社長へのインタビューをご紹介。
社長の熱い思いを語っていただきます。

キャンプ場作りを通して
地域貢献を目指す
提案から
鉄製のモノづくりをする会社
 有限会社コトブキは建築会社やリフォーム会社から依頼を受け、鉄製の階段や手すりなどを始め、主に建築現場で使われる建築金物と呼ばれている製品の製作および取付工事を行っている会社で、父が創業し私は2代目になります。
 元受け会社の設計図面通り製作し取付工事を行うのが一般的な鉄工所ですが、私たちの場合は基本的に元受け会社から図面を受け取る事はなく、元受け会社が実際の現場から電話をかけてきて、それを聞きながら頭の中で3Dを作り上げ、それをイラスト化または図面化し、その後実際に現場に出向いて採寸に伺って正式な図面を起こします。また、直接エンドユーザーに出向いて「ここはこうではないですか」とか「こちらの方が良いのではないですか」などと直接お話をさせていただきます。デザインに関しても「シャープな物」とか「どっしりして重厚感がある」とかイメージをいただき、また過去の事例なども見せていただきこちらから提案して現実化していく方法を取っています。
 そこまで一歩踏み込む事で他社との差別化をはかり付加価値を付けているので同業他社と比べると請負金額が高く頂ける事があります。
 私自身「デザインが好き」という事ではありませが、難しいとやりたくなってしまうと所があります。日頃からテーマパークなどで見かけた物を「自分達のところで作れないか」とか「どうやって作っているのか」など常にそういう目で見てしまいます。子供と出かけているのに子供の写真よりそういう写真が多かったりして家内もあきれています。
有限会社コトブキ
鉄製の外階段
屋内の鉄製階段
有限会社コトブキ
小物掛け
飾り棚

跡継ぎに向かって
まっしぐらに進む
 私は男3人兄弟の次男で、長男は元々会社を継ぐ気はありませんでしたが、一方私はというと子供の頃から仕事を手伝うような子供で、父も私が後を継ぐのは当然だと思っていました。私自身も跡を継ぐつもりで工業高校の建築科に進み、卒業後そのままコトブキで働くようになりました。技術的な勉強は、同業の方々のお手伝いに行った際に「技術を盗む」というか見せてもらいながら学びました。
 子供の頃から継ぐのが当然と考えていた私でしたが、実際に仕事をし始めてからは何度か「辞めたい」と思った事がありました。親子なのでぶつかった時や、就職したのがバブル崩壊後で仕事が少なく、思ったように給料がもらえなかった時期は「違う仕事」に目を向けた事もありました。しかし、「家業を潰すわけにはいかない」という思いが強く、踏みとどまりました。  私が父と社長を交代して13年になりますが、以前は父の時代の20年間はバブルなど好景気の時代があったので「勢いでやれたのでは」と思っていましたが、いざ自分が社長をやってみて「父も大変だっただろう」と改めて実感するようになりました。
 法人会の青年部会に入会して様々な業種の諸先輩方と交流を持つようになり「家業を継いでいる」という意識ではなく、事業を拡大するには「企業」として考えるべきだという事を学びました。更に、地域貢献の大切さなども意識するようになり、最終的には青年部会の会長までやらせていただいた事で組織の運営まで学ばせていただきました。
有限会社コトブキ
工場全景
オリジナル製作の門扉
不安定な受注の
解消を目指す
 私たちの仕事は元々建築会社さんやリフォーム会社さんから仕事を受けているため、元受け会社の受注増減のあおりを受け、売り上げの上下が激しくなってしまいます。これを何とかしようと色々考えましたが、潤沢な資金があるわけではないので設備投資をせずに「今の設備で何が出来るか」と考えたのが、鉄製の装飾品や家具作りでした。
 その頃ちょうどインテリアの世界で「アイアン家具」という言葉が登場してきた所だったので、その勢いに乗りたいと思い、「アイアン家具」に取り組む事にしました。実際に作ったドラム缶のソファーなどは、ネットで見かけたものを自分なりにアレンジして作りました。
 「アイアン家具」の中で変わったものだったのは、リフォーム会社の店舗に設置する鉄製の「木」を作るものでした。その会社ではペットと暮らすためのリフォームイメージを再現されたようで、その「木」は所々にステップを付けたキャットタワーでした。お客様からはフリー・ハンドの平面図はいただいたものの、それを3D化する必要がありました。「完全に木にして欲しい」といわれたら困りましたが、「鉄で作った感じも欲しい」というご意向だったので助かりました。
 このように様々な「アイアン家具」作りを始めたものの、流行すれば同業者も作るようになり、量産化される可能性があります。そうなると一つずつ手作業で作っている我々では到底価格の勝負が出来ません。残念ながら「アイアン家具」はホームぺージで紹介・販売している他、建物の仕事の延長線上でオーダーを頂いた物を作るだけに絞っています。
 次に取り組んだのは「アイアン家具」の延長線上に何があるか考え、目を付けたのが「キャンプ」で「鉄製のアウトドア用品」でした。
 何度かアウトドア用品を試作しましたが、実際に使ってみないと商品の良さがわかりません。「実際にキャンプをして使ってみよう」と休日にキャンプ場を予約しようとしたところ、どのキャンプ場にも空きがありませんでした。そこで近くの空いている土地でキャンプをさせてもらおうとしたのがきっかけで、「自分たちのキャンプ場を作ろう」という発想に繋がりました。
有限会社コトブキ
社内のコンテナハウスにミニショールームが出来ている
ドラム缶で作ったオリジナルのソファー
有限会社コトブキ
店舗などで使われるデザインされたテーブル
天井にはサップボードのラックが取り付けられている
地域貢献できる
「フィールド」作りを目指す
 実際にキャンプ場を作ろうとすると様々な課題がある事を知りました。それは山林の一部を伐採するので開発の許可や管理棟の建築許可が必要など法的規制や手続きの他、近隣の方々にも了解をいただく説明会を開くなど現実にしようとするといくつものハードルが存在しました。
 現在建設に着手したキャンプ場「KAGUYA」は約1,000㎡で、キャンプ場としては小さい方とはいうものの、軽トラックがやっと通れるほどの小道しかなかった竹藪を、キャンプ場を作る事に賛同してくれた仲間たちが、休日を利用して延べ350人にのぼる労力を提供してくれたおかげでようやくベースは完成しました。現在は傾斜地にテントを張る「サイト」作りと竹製の土留め作りを行っています。当初の予定よりだいぶ遅れたものの来年の2023年2月にオープンする予定で進めています。
 当初このキャンプ場が出来る事で「地域が活性化したらいいな」と思っている程度で、うちの商品を展示する事位しか考えていませんでしたが、仲間と話しているうちに「こんな事もやったら」と色々な意見が出てきました。
 このキャンプ場は地域の人たちと共に活性化していくようなキャンプ場にしたいので「うちの商品を置いてくれないか」という要望に応えながら人が集まる「軸」になる場所になればいいなと思っています。今具体的に話があるのは、後輩の苺園で販売しきれない物をミルクと一緒に冷凍し「シェイク」として販売する事を予定していますが、他にもコラボした商品を販売する事でキャンプ目的でない人にも集まってくれる場所づくりをしていきたいと思っています。
 キャンプ場の名前は当初「KAGUYA SAYAMA」と地域名を付けるつもりでいました。星のリゾートさんが「星のや◯◯」と地域名と組み合わせた展開をしているのをみて、いずれ様々な地域に「「KAGUYA◯◯」と付けて展開できたら思っていました。しかし、実際にやってみると土地の問題や規制など様々な障害があり難しいと感じたため、地域名も付けずに「KAGUYA」としました。
 考えてみると実際に私のやっている活動は「人が集う場所」作り、つまり「フィールド作り」を行っているので、これからもキャンプ場作りにとらわれず「地域のためのフィールド作り」をやっていければいいなと思っています。
有限会社コトブキ
キャンプ場「KAGUYA」の完成予定図
竹に囲まれたキャンプ場「KAGUYA」
有限会社コトブキ
キャンプ場「KAGUYA」の完成予定図
竹に囲まれたキャンプ場「KAGUYA」
有限会社コトブキ
企業名 有限会社コトブキ
事業
概要
鉄製品の製作・施工
住所
電話番号
〒276-0011
千葉県八千代市佐山2253番地
TEL:047-488-2034
HP HP:
https://home.tsuku2.jp/
storeDetail.php?scd=0000116756


キャンプ場KAGUYA HP:
https://home.tsuku2.jp/
storeDetail.php?scd=0000158612


Facebook:
https://www.facebook.com/
iron.kotobuki/

従業員 8名
資本金 500万円
その他資格 建築業許可、古物商許可
(2022/11/10)


〈編集後記〉
 
 言葉遣いも丁寧で実直さが伝わってくる伊藤社長。高校時代に野球部で厳しく教育されたからだと社長はおっしゃいます。今でも消防団や地域伝統の神楽にも参加され、地域とのかかわりを多く持たれているそうです。キャンプ場も伊藤社長だから実現できるのだと感じました。また、キャンプ場の工事も多くの方たちが手伝ってくれているようですが、それも社長の人徳でしょう。中小企業の存在価値を示すひとつが、地域と共に生きる事だと改めて感じました。伊藤社長のこれからの活躍を注目していきたいと思います。
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