YouTubeチャンネルは誰でも収益化できるわけではなく満たすべき条件があり、この条件は何度か変更されてきました。以前は総再生回数10000回を超えれば収益化可能という現在の条件と比べるとかなり容易な時期もあり、早くから収益化に目をつけていたYouTuberはその恩恵を受けていました。いまやYouTubeチャンネル総数は膨大な数になり、収益を得られるチャンネルをある程度絞るためにも条件はとても厳しいものに変わりました。
<収益化条件>※2025年10月時点で広告収入を得る為の条件
- ・チャンネル登録者数:1000人以上
- ・年間の総再生時間:4000時間以上(または90日間でのショート動画の再生回数が1000万回以上)
<厳しくなった収益化条件>
総再生回数10000回で良かった時期からすると、かなり条件が厳しくなっています。条件さえ満たせば何でもいいわけではなく、昨今ではいわゆる炎上系やモラルに欠ける動画を配信していたり、切り抜き動画、歌ってみた・踊ってみた等、他者のコンテンツを再利用して著作権を侵害したりしているようなチャンネルへの措置も進められています。それによりチャンネルBANや収益化の停止、アカウントのブラックリスト入り等をされているチャンネルも増えていっています。最近はニュースで、YouTube以外でも収益化が容易くあまりモラルが求められない他のプラットフォームでの問題のある配信で逮捕や視聴者とのトラブル、損害賠償にまで発展してしまうようなケースも度々取り上げられていますが、YouTubeでの収益化を目指しているのであれば必ずYouTube側が定めるポリシーに則ったコンテンツをアップしていかなければなりません。
<収益化には審査通過も必要>
収益化は登録者数と再生時間が条件の数値を超えた時点で審査を受けることになります。不正もなく、コンテンツにも問題が無いことが確認されて、審査を通過した時点でようやく収益化が開始されて『YouTubeパートナー』として認められます。ちなみに審査を受けたうちの3割程度は落ちているという情報もあります。落ちているチャンネルの多くは、登録者の購入や相互チャンネル登録などの不正、切り抜きや歌ってみた・踊ってみた等、他者のコンテンツを再利用した動画で基準値を達成しているようなチャンネルです。著作権的な問題が有ったり、本人の努力ではなく他者のコンテンツや人気に便乗しただけのオリジナリティのない動画によるやり方は認められないということのようです。
<収益化条件の緩和?>
2023年に収益化条件がチャンネル登録者数500人・年間総再生時間3000時間に緩和されたというのは、あくまでも『広告収入機能を除いた範囲』です。この時点で収益を得るには、Super Chat(スーパーチャット)などのいわゆる投げ銭やショップサイトでの商品販売、メンバーシップ(有料会員制度)といった動画アップ以外の活動により収入を得ることが出来るようなプラス要素を持っている必要が有り、非常に不安定で不完全な収益化の状態ですが、多くのVTuber等がここを目指しています。しかしコンテンツ自体に力がないチャンネルでは収益を得続けることは難しいので長い目で見れば、やはり正式な収益化は今まで通り1000人・4000時間と考えてコンテンツ重視の運用を進めておいたほうがいいでしょう。
ただ、1000人を超えてからチャンネルがそもそも収益化が審査を通過できない内容だったということにならないように、500人の時点でとりあえず審査をお願いしておいたほうが安心です。500人の時点で審査を通過しておけば、1000人に達した時には動画の広告機能を有効にするだけで広告表示が可能になります。実際に収益を受け取るにはGoogleアドセンスのアカウント登録や受取口座の指定や税務書類の提出など、少々ややこしい手続きがありますが、滞りなく収益を受け取れるようになるべく早めに済ませておきましょう。
| 登録者数 |
500人~999人 |
1000人~ |
| 再生時間 |
3000時間/年~ |
4000時間/年~ |
| 広告収入 |
× |
〇 |
| ショップ機能 |
〇 |
〇 |
| SuperChat等の投げ銭 |
〇 |
〇 |
| メンバーシップ |
〇 |
〇 |
| 広告可否の影響 |
視聴者の負担にならずに済む、広告を動画に設定出来ないため、視聴者に直接お金を使わせることでしか収益を得られない。 |
広告収入を含めた全ての要素が利用可能で、観てもらうだけでも収入が発生し、分野次第で、ある程度安定した収益を得られる。 |
<ショートはあくまでサブ要素>
特に、500人を収益化の目標値と定めているチャンネルのなかには、ほぼショートのみのチャンネルも多く見かけますが、ショートだけで増やした登録者は広告収入をメインで発生させる肝心の長尺動画をほとんど再生しません。ショートは登録者数を増やしやすい反面、再生時間が短く、収益化出来たとしても単価はおよそ0.01円/回と非常に安価なので、結局ラクな方法で登録者500人達成できたとしてもほとんど意味が有りません。YouTubeは広告をたくさん機能させてくれてYouTube側が利益を得られる、優良な長尺動画コンテンツを提供できるチャンネルには対価を分配する形で成り立っていることを理解していれば、この500人が単なる通過点でしかないと考えるようになるでしょう。
また、安定した収益を得ていく為には、流行ネタに飛びつくだけではなく、時間が経過しても何度も繰り返し再生されるようなコンテンツを蓄積していくことが重要ですが、これをショートに担わせるのは現実的ではありません。