私が入社した当時、グランプラスの売り上げは10億円で、業務拡大のステップアップの時期でした。当時の会社の運営体制は、個人の力量に任せる「個の塊」のような印象で、そのままの体制では先に進めないだろうと考え、組織体系の再編や人事評価制度の採用、ITの導入で「個」でやる仕事から「組織」でやる仕事へと変換していく事を意識して進めてきています。
　元々この会社は、トーメンや豊田通商など大きな組織が経営していた事もあり、組織で仕事をする素養はあったものの、一方で書類が多いなどの「わずらわしさ」があり、MBOで大きな組織から分離した事で、その辺の仕組みが消えかけていました。「がんじがらめ」が良いとは思いませんが、ある程度は統制が取れていないと社員のベクトルが合わなくなってしまいます。そこで私は社長の右腕の専務取締役として、もう一度以前の体制に引き戻して組織運営できるような仕組みづくりに取り組みました。
　社長就任後に取り組んでいるのは、「ITに対する食わず嫌い」のようなアレルギー反応で、これを撤廃しないと次のステップには進めません。まずは全社員がメールアドレスを持ち、メールの活用やPCを有効利用する事で、手書きの資料をやめるなどの変革を進めています。更に最近は管理業務のIT化や基幹システムの利活用を高めるための改修に着手したところです。
　これからの私の「定量的目標」は在籍中に、入社時の2倍の20億円の売り上げに成長させ、経常利益率を７%以上に引き上げる事です。また、チョコレートの本場ベルギーの「グランプラス広場」に直営店を出す事を夢見て邁進中です。社名の「グランプラス」はこの「グランプラス広場」からつけたもので、広場の周りには多くのチョコレート屋があります。本場の人たちにどれだけ認めていただけるかチャレンジ出来たらいいと思っています。
　常に社員には「安住は衰退“チェンジ／チャレンジ”で進化し続けよう！」と言っています。これは今の状態が心地良くそこに停滞していると、周りは進化し、相対的に見たら衰退するという意味です。今いる場所から離れ新しい世界に足を踏み入れる事は、未知数も多く誰でも不安な事です。失敗もあるかもしれませんが、その先には今以上に素晴らしい世界が広がっています。「チェンジ／チャレンジ」の言葉を掲げ、これからも改革を進めていこうと思っています。