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ぴかいちば
ぴかいちば
千葉のきらりと光る
社長へのインタビューをご紹介。
社長の熱い思いを語っていただきます。

お客様を支え農家を支えるお米屋
地域と共に生きる
創業75年のお米屋
 有限会社まきのは、1949年(昭和24年)に私の祖父が創業し全国各地から仕入れた安心・安全なお米や、酒や食品などを地域のお客様に向けて販売しています。
 私の祖父が創業した当時は、戦後の食糧難対策として政府が「米穀配給通帳」に基づいて公定価格で供出し、消費者へ配給する食糧管理制度がしかれていた頃で、免許で守られながら「正しく食料の配給をしてこの地域を守りなさい」と言われているようなものでした。当時は、他にも米だけでなく灯油やLPガスなどの「燃料」も販売していました。1995年(平成7年)に「食糧管理制度」が廃止されお米の流通が変わってくると、祖父の後を継いだ父は、「安心・安全なお米」を届ける事を使命と考えるようになりました。そこで全国に良い仕入先になる農家さんを作って、安心・安全なお米を安定して届けられるようにしていきました。およそ40年前から取り組んできたこの活動の結果、取引している地域に「一部の農薬を使うのは止めて」とお願いし、個人生産者だけでなくその地域全体で取り組んでいただき、その農薬が一切入らない安全なお米を提供できるようになり、更にそれによってその地域が活性化されるまでの取り組みに発展していくようになりました。今も父は現役の社長ですが、「お米の専門店」の運営のほとんどは三代目の私に任せてもらっています。
 店に置いている米は、全国にある契約農家から届いた安心・安全なお米で、なかには品種とは別に独自の名前が付いているお米も置いています。例えばいすみ市のお米でいすみ市の牧場で作られて有機堆肥を使った「万喜(まんぎ)米・コシヒカリ」、秋田県でも地元の和牛で有機堆肥を作ってもらいその堆肥を使った「神代じゃんご米・あきたこまち」、山形県の「はえぬき・つや姫」は「たわわ」という名前で、千葉では2か所、他県では4か所の米をブランド化しています。
 最近の新たな活動の事例では、日本初の「みかんの搾りカスを完熟堆肥」にした植物性有機肥料を信頼、信用のおける生産者に提供し生産していただいたお米を全量買い取り、安全な肥料を使った「安心・安全なお米」を共感してくれるお客様にお届けする事ができました。そして、生産者は安定的な値段でお米を販売出来るというまさしく「三方良し」の形になりました。
有限会社まきの
お米の「まきの」本店
店内には登録証や資格など様々な物が掲示されている

後継者の修業の場になるお米屋
 私の祖父が創業した「まきの米店」は父の兄が店を継ぐ予定だったため、次男の父は、実家が「衣食住」のうちの「食」をやっているのなら、自分は「住」の建築設計をやっていこうと大学に進学しました。しかし、卒業まで残り1年という時に兄が店を継がず独立する事になり、急遽父がまきの米店を継ぐ事になったそうです。
 後を継いだ父は、時代と共に都市ガス化が進んできたため、それまで取り扱っていたプロパンガスなど燃料の取扱いをやめ、一方で食の部分を拡大しようと広げていきました。当初は1店舗だった店は米屋と酒屋、そして山崎パンを取り扱うコンビニのような「ヤマザキショップ(通称ワイショップ)」の3店舗までに拡大しました。
 やがて米の販売は1982年(昭和57年)に都道府県知事の許可制になり、1995年(平成7年)には登録制になった事で、米店以外に小売業者が参入するなど環境の変化が進んでいきます。お米の専門店なら美味しいお米を届ける事、「安心・安全」なお米をお届けする事、それは当たり前ですので、その度に生産者と消費者の事を第一に考え取り組み、無農薬、無化学肥料で作られる「有機栽培米」や、農薬、化学肥料の厳しい使用規定を守って栽培された「特別栽培米」などを生産する農家さんと繋がり、」確保されたお米をお届けする全国米店の先駆け米店として取り組んできました。
 いつの間にか次の世代を勉強させるには「『まきの』に行かせろ」「あそこに行けばいい勉強になる」と言われるようになり、私が小学校に行きはじめた頃には、修業で来ているお米店の2代目や3代目が常に2~3人はいるようになっていました。
 当時小学生だった私も「修業に来ている跡取りと一緒に教えてしまえばいい」と思ったのか、毎日お米に触れているように過ごし、小学校5年生になる頃には学校から帰ってくると、勤務時間を終えた従業員に代わって閉店まで私と弟が店番を任されるようになっていました。
 商店をやっている家庭では普通の事だったかもしれませんが、「お前も数年後には働くようになるから社会勉強をしておけ」「肌で感じろ」というのが父の考えだったかもしれません。
 小学校までは私の行動みていた父は目をつぶってくれた事が多々あったと思いますが、中学生になると父は私に「お前の行動は全て自分の店に返ってくる」と言われるようになりましたが、今になって思えば社会勉強をさせてもらっていたのだと思います。
 私が高校の商業科に進学すると、簿記やそろばん、流通経済など学校で習う事全てが、小学生の頃から実際に体験してきた事で、その様子が自分の頭の中に描けた事で、はじめて父に「ありがとう」と感謝を感じたのは事実です。
 高校生の時、私は今まで「まきの」には無かった「料理」の事を学ぶため、家の手伝いを終えた後、夜の10時から朝までファミリーレストランの厨房でアルバイトをさせてもらい、原価計算について学んだり、調理がマニュアル化されているのを見たりして「料理」についても学ばせてもらいました。
 高校を卒業する頃は「バブル景気」の時代で一流会社にも就職できる時代でしたが、私は電車に乗って通勤するのも嫌で、小学1年生の時に書いた手紙には「お米屋を継ぎたい」と書いてしまった事を思い出し、更に「お米は生まれてから死ぬまで食べる物」で「誰もが知っている物を自分の所で扱える仕事」で「すごい物を扱っている」事を改めて感じたため就職せずにそのまま「まきの」で働く事を選択しました。
 後を継ぐと決心したのを機に「お米のプロ」になってやろうと思い、もっとお米の事をより深く知るため農家さんの米作りを勉強しようと時間があると農家さんの手伝いに行くようになりました。また、2004年(平成16年)には日本米穀商業組合連合会が認定する「米のスペシャリスト」の最高位「五つ星お米マイスター」の千葉県初の合格者3~4人のうち、最年少で取得する事ができました。
有限会社まきの
店内には様々なお米が揃っている
千葉県初の五つ星お米マイスター認定証

お客様の「米びつ勘定」で
農家さんの信頼を得る
 1993年(平成5年)に天候不順による冷害で、稲の記録的な生育不良が原因で消費者から卸業者までも米の確保に奔走した「平成の米騒動」では、各地のお米屋さんは閉まってしまうなどの大騒ぎでした。「まきの」にも1日で2,000人もの人が並ぶ状況で「欲張らないでください。大丈夫ですから。」と自分達に任せてくれれば無くならないとお伝えしました。実際に「まきの」は産地とのつながりを持っているので、その騒動の中でもお取引先のお客様には安定的にお届けできる状態でした。また、東日本大震災の時も同様で、お客様には「確保しないほうが良いですよ。時間が経つと美味しくなくなっちゃいますから。いつでも買えますから安心して買いに来てください。」とお客様をなだめる状態になりました。
 「まきの」では一般家庭で一週間、一カ月でお米をどれくらい消費するか、この家庭は何カ月で何十キロ食べるかを予測できるお客様の「米びつ管理」が出来るシステムを父と一緒に作り、農家さんには種の用意の段階から1年間必要なお米の量30kgの袋で200袋お願いしますとか400袋お願いしますと発注します。農家さんは受注した量のお米を美味しく届けようと頑張ってくれます。天候が悪く全国でお米の収穫量が少なかったとしても、信頼があるから発注数を確保してくれます。この信頼関係がある事によって、お客さまにも安定的にお届けする事ができるようになっています。  このように一般的には「作った物を売る」という「商品」が先で「販売」が後ですが、「まきの」のやり方は、「販売先の確保」が先で「生産」が後に来るという全く逆のスタイルになっています。また、常に農家さんには「高く買ってあげたい」という考えで、高く買った分農家さんには「新しい機械の導入」や「効率化」などをしてもらいたいと思っています。
 また、誰も「食育」と騒いでいない25年位前から学校に「食育」を教えに行く活動をしていました。その活動が本格化したのは、2005年(平成17年)に「食育基本法」が出来てからで、「食育をしなければならない」と教科書が出来ても誰も教える事は出来ませんでした。また、農協が小学校で「バケツ稲」をやってもらおうと、種や肥料など材料を支給しても先生方は教える事が出来ないため、「私がやります」と手を上げて小学校への出張講習が始まりました。学校には、米の知識だけでなく食べる方も、炊く方も、太巻き寿司、飾り寿司も教えに行っています。更に教えに行った先生が異動すると、異動先から再び依頼をいただく事もあり、出張講習の範囲もどんどん広がりました。
有限会社まきの
オリジナルブランドの米を伊勢神宮に奉納した証明証
自社開発したレンジで作れる美味しいお米の商品

地域を支えるお米屋を目指して
 千葉県は鴨川市の「長狭米」と多古町の「多古米」、それにいすみ市の「国吉米」が「特A地区」という地域で、お米の品質が高いと言われていました。「長狭米」や「多古米」に比べ、いすみ市は酪農牧場が盛んで循環型の農業で色々な事が出来そうだと思い地元の何件かの農家さんと仲間の米屋で「ちば国吉米匠の会」を作ってもらいました。
 この「匠の会」と協力しお客様300人を現地にお連れして、田植えや稲刈りを体験してもらい、「自分たちの植えたお米を自分たちで食べよう」というイベントを開催しました。これは「あなた方のお米をここで作って、安心なお米を食べたらどうですか。」というイベントで、これによって100家族が来れば100件が新規のお客様で、いすみ市のお米を買ってくれるという流れを作る事ができました。
 最初に信用を得てしまうので、そのお米を必ず買ってくれるようになります。農家さんもやる気になって、あれだけの人たちが食べてくれるなら「頑張らなくては」となって後継者問題も解決します。その結果農家さんの収入も上がり、「次は特別栽培をやろうか」「農薬を止めれば販売額も更にアップできる」となるなど、益々ブランド価値を上げていく方向になっていくのだと思います。 更に、「まきの」で玄米を精米した際に出る米糠をいすみ市の酪農牧場に持って行って牛に食べさせたり、堆肥を作って牧草や野菜の栽培に使ったりという取り組みまで行っています。またその牧場で搾られた牛乳は学校給食で使われている循環の仕組みも出来上がっています。
 千葉県ではたくさんのお米が作られているものの、他県に比べブランド価値が低いように思えます。実際千葉県は「早場米」の産地で、他の地域より2カ月早くお米が採れるため、全国から一気に新米の注文が集まって来るので、採れた先からどんどん売れてしまいます。一方他県は同時期に収穫されるので、付加価値を守るためその品種の「成分」や「タンパク質」などが基準値にならないと「その名前で売ってはいけません」となり、また全国の米の産地から私の様な「五ツ星お米マイスター」に向けて「プロモーションをかけてください」という依頼がくるなど、それぞれの県で生産されるお米の品種ブランド力向上に力を注いでいます。
 一方千葉県はというと、13年ぶりに「粒すけ」という新しい品種を出しましたが、「早場米」なので「美味しい基準」を設ける間もなく販売されてしまうので、残念ながら他県の様な事は無く、価格も品質も売り手次第でブランド価値を持たせる事が出来ていません。
 この状況を見て私が思ったのは一番良い「粒すけ」を作る人を見つけて「千葉県の『粒すけ』はこれだよ」というのを全国に出す事でした。「コシヒカリ」が多古、長狭、国吉なら、「粒すけ」はこの地域、「ふさこがね」は「この地域で作れるものが最高のものですよ」とアピールできれば、その地域の生産者のお米の評価は上がりますし価格にも反映してきます。私達も価格競争をしていたら生産者さんが安定して生活できる価格で買う事も出来ず、守る事すらできません。なので、安心・安全は当たり前で価格競争をせずに「こういう取り組みをしている、こういうお米があります。それを使っていただけませんか。」と働きかけ、それに共感していただけるお客様に販売できれば、生産者さんも自分達も安定して続けいく事が出来ます。
 「まきの」は何かがあった時に、お客様から頼っていただける立場にいるのだと思っています。祖父、父が地域の消費者の主食を扱う米店として営んできたお店をこれからも安心・安全なお米を提供するのは勿論の事、それを作ってくれる生産者さんを守り、もしこの地域で災害が起きてしまった場合でも、「『まきの』と付き合っていれば安心」とか「生活が安定している」とか、「助かったね」と言ってもらえる存在になっていきたいと思っています。
有限会社まきの
消費者自らの手で田植え体験を企画
定期的にデパートにも催事で出店している
有限会社まきの
企業名 有限会社まきの
事業
概要
米の販売
その他食品の販売
住所 〒273-0035 
千葉県船橋市本中山3-1-5
電話
番号
047-334-1915
HP HP:
https://ohkome.net/

Facebook:
https://www.facebook.com/
makinokometen/?ref=embed_page
従業員 4名
資本金 300万円
その他資格 五つ星お米マイスター
(2024/2/9)


〈編集後記〉
 
 三代目になる事にまっしぐらに歩んできた牧野さん。「地域を守る」事を使命と捉え、生産者を含めた「三方良し」を実現するために奔走しています。また、全国にネットワークを作り良質なお米を届けるだけでなく、特に地元千葉県のお米環境にも力を注いていらっしゃいます。牧野さんの活躍が、農家をはじめ様々な人々との輪を作り、「何か大きな流れを作ってくれる」と感じました。これからの牧野さんの活躍に期待しています。
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