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チバビズ探訪 バックナンバー(37~48)
Vol.48 【勝手に注目】ひ志お 株式会社銚子山十
ひ志お 株式会社銚子山十
「醤(ひしお)」は奈良時代から造られてきた発酵調味料
 醤(ひしお)は醤油が普及し始める室町時代以前から使われていた発酵調味料です。稲作が本格化すると魚を原料にして作る魚醤が作られていましたが、次第に中国から伝わった穀物から造る穀醤が主流になりました。飛鳥時代の物と思われる木簡や藤原京から出土した木簡には「ひしほ(ひしお)」という記載が発見されています。
 奈良時代の「養老律令」には宮廷の料理を司る大膳職(だいぜんしき)で醤がつくられ、主醤(ひしおのつかさ)という役人が置かれていた事が記録されており、平安時代には「供御醤(くごびしお)」など、数種の醤とともに「滓醤(かすびしお)」「醤滓(ひしおかす)」の記述が残っており、醤が液状の調味料であったことを示しています。
 やがて室町時代になり醤油が製造され普及し始め、醤(ひ志お)にとって代わって醤油が一般に普及し始めました。
 「江戸時代中期、野田、銚子では醤油作りが最盛期を迎え、醤油を製造蔵が林立しました。各醤油蔵では大量の麹作りをするため、蔵の職工さんたちは24時間体制で作業を行いました。各醤油屋さんでは職工さんを住み込みで抱え、3食、食事の世話をしていました。醤油屋さんですぐ手に入る原料を使い、自社の製造工程で作ることができる醤(ひしお)をおかず味噌とし、職工の食膳に出したり、ご贈答品として使っていました。」
 醤油づくりが盛んに行われるようになると麹を大量に作らなければならず、そのため住み込みで働く職人たちは24時間温度管理をする必要がありました。
 ごはんに乗せるだけでも美味しく食べられる醤(ひ志お)は、手元にある材料だけで作れ、忙しい職人たちの胃袋を満たしてくれる「まかない」として醸造元で作り続けられていました。
(一部キッコーマンWEBサイト「しょうゆの歴史を紐解く」より引用)
天然醸造醤油
醤油醸造から「ひ志お」専門に銚子山十
 銚子山十さんはヤマサ醤油株式会社と同じく紀州から銚子へ進出し江戸時代1630年(寛永7年)に岩崎重次郎が創業した老舗で、他の蔵元と同様幕府からは「最上醤油」として評価された7銘柄のひとつでした。
 昭和の初めに経営を岩崎家より室井社長の祖父が事業を引き継ぎ、1931年(昭和6年)に合資会社銚子山十商店を設立しました。しかし、工場が太平洋戦争の空襲で全壊し、店舗は再興しましたが1970年代の中小の醤油会社が淘汰されていった時代に室井社長の父は土産品卸や小売りなどに事業をシフトし、大変な時代を乗り切りました。
 その後大学を卒業してソフトウエア開発をしていた室井社長が跡を継ぎ、創業以来醤油と共に製造・小売りをしていた「醤(ひ志お)」の製造販売に事業を絞りました。昔ながらの天然醸造にこだわり「誰にもまねができない」「他にない物」として「醤(ひ志お)」作りをしています。
 銚子山十さんの醤(ひ志お)は、大豆と大麦そして麹のみで1年以上熟成して造る無添加・安全で、液体ではないのに醤油のうま味成分を持っています。熱々のごはんに乗せて食べてもおいしく、醤油とは一味違った調味料として様々な料理に使う事が出来ます。
銚子山十
銚子市街にある銚子山十
店内にはひ志おの他醤油などの商品も置かれている

「ひ志お」を食べてみた
 醤油のルーツともいえる「ひ志お」は、醤油や味噌の中間の様な存在で独特な風味があります。白いごはんに乗せるご飯のお供として、また「日本酒のあて」にもなりますが、今回は別の食べ方をしてみたいと思います。
 まずは、シンプルに冷ややっこに載せて食べてみます。豆腐にごま油をかけ、「ひ志お」と生姜、小葱をかけてみました。生姜と小葱を混ぜて食べてみると、「ひ志お」の濃厚な風味が豆腐とマッチしてバッチリ合います。好みもあるかもしれませんが、最後にごま油の風味がやってきます。「ひ志お」の食べ方としてはスタンダードな食べ方だと思いました。
 もう一つは、茹でた鶏むね肉に添えて食べてみました。鶏むね肉は下味なども一切無く、単にお湯で20分湯がいてそのまま冷めるまで放置という簡単な加熱方法で加熱しました。 鶏むね肉は加熱するとパサつきがちですが、この方法だとパサパサせず柔らかく仕上がりました。
 「ひ志お」は、エシャレットのみじん切りに生姜、ニンニク、砂糖を少々加え味醂で延ばしてよく混ぜ、鶏むね肉に付けて食べました。
 エシャレットの辛みと生姜とニンニクの風味にひ志おのコクで、味付けしていない鶏むね肉にうま味を添えてご飯のおかずや酒のつまみに最適な逸品になりました。
 醤油や味噌と同じ役割を果たす「ひ志お」のレシピは無限大でしょう。次は洋風の料理にも試してみたいと思いました。
ひ志お
5個入りのひ志お
パッケージの裏には明治26年の山十の様子が描かれている

ひ志お料理
冷ややっこにひ志おのせ
鶏むね肉のひ志お添え

●取材先
株式会社銚子山十
〒288-0041 千葉県銚子市中央町18-3
URL: https://www.hishio.co.jp/
(2022/3/10)
Vol.47 【勝手に注目】燻製オリーブオイル 燻製マヨネーズ 株式会社リオ
「燻製オリーブオイル 燻製マヨネーズ」 株式会社リオ
食材に風味をプラスする燻製
 燻製とは食材を燻煙することで、食品の水分量が減少して保存性が高まると共に、食材に特有の風味を付与する保存食です。元来は食材の保存に注目されてきた技術ですが、食材の保存方法が発達した現代では、保存性より普段と違う食感や味わいを楽しむために使われています。
 嗅覚と味覚は密接に結びついており、舌の味蕾は味を識別し、鼻の神経は臭いをかぎ分け、脳がその情報を統合して風味として認識しているそうです。
 日本の伝統的な食材の鰹節や、秋田県の名物の「いぶりがっこ」も古くから食べられている燻製された食品です。
 ご存知の通り、燻製は香りの良い桜やブナなどの木材を高熱にした時に出る煙を食材に当てて作るというもの。昨今のキャンプブームやコロナ禍でのおうちごはんの影響からか、食材を燻製するブームが起きてるようで、燻製または燻製風味に注目が集まっています。このブームの影響で、簡単に燻製が作れる器具や、燻製風味をつける器具など、様々なものが販売されるようになりました。とはいえ家庭の室内キッチンでは難しいですし、燻製器具の準備や後片付けなど、いざ燻製をするとなると、なかなかハードルが高いものです。ただ、やはりあの芳醇な燻製の香りは、私たちの心を魅了してやみません。
桜のチップで燻製を作る
燻煙の元になる桜のチップ
肉など食材を燻煙して燻製を作る

燻製加工専門の「かずさスモーク」
 木更津市にある株式会社リオさんは、液体を燻製するという特殊な技術を持っている会社です。
 一般向け商品は「かずさスモーク」という名前で製造販売しており、オリーブオイル、米油、醤油、マヨネーズ、ピクルスの素、ステーキソースなど、燻製加工した商品を製造販売しているほか、養蜂会社とコラボした燻製はちみつを開発するなど、燻製の可能性をどんどん広げています。
「かずさスモーク」として販売されている商品は、雑誌やテレビなどでも紹介され、好評を得ています。商品は一部の道の駅や高速道路のサービスエリアなどで販売されているほか、株式会社リオさんのショップサイトでも購入することができます。
 また、食品メーカーなどからも委託を受け、ありとあらゆる液体に燻製加工を受託しております。液体の燻製加工の特殊な技術は、市川社長が独自に開発し、燻製機械とその方法で特許を取得されてるそうです。
 また燻製加工する工場も食品メーカーに安心して発注していただけるよう、食品製造レベルを越えた半導体製造レベルの清浄度を誇るクリーンルームを完備しているほか、有機 JAS の認定を受けるなど、無添加で自然な煙以外一切使用しない加工をすることをこだわりとし、どんなお客様にも安心して使っていただける体制を組まれています。
 かつてなかったという商品で、かけるだけ、混ぜるだけで手軽に燻製の風味を加えることができる画期的な商品ということで注目させて頂きました。
株式会社リオ本社
株式会社リオの本社、小売店も併設している
積極的に催事などにも出店している

かけるだけ、混ぜるだけで燻製風味がプラス
 「かずさスモーク」の商品は、かけるだけで簡単に燻製の風味をつけることできます。私は以前より燻製醤油やステーキソースなども購入しており、様々な料理に使って味わっていました。
 今回の「食べてみた」では、燻製オリーブオイルと燻マヨを使ってみました。ちなみに燻マヨと呼ばれる燻製マヨネーズはリオさんの商標登録だそうです。燻製オリーブオイルはシラスのパスタにかけて、燻マヨはポテトサラダに使って食べてみました。ポテトサラダはYouTube に紹介されていた簡単に作れるレシピで作りました。じゃがいもは電子レンジで火を通してマッシャーで潰します。中に入れるのはベーコンとガーリックで簡単にフライパンで火を通し、マッシュしたジャガイモとよく混ぜます。ここで普通は一般的なマヨネーズで和えるところですが、今回は燻マヨで和えます。
 一方「シラスのパスタ」は、茹でたパスタにフライパンで軽くローストしたみじん切りのガーリックをかけ、塩コショウ。釜茹でシラスを入れ、燻製オリーブオイルをかけて和えれば完成です。
 ポテトサラダは一口含むとガーリックの香りと共に燻製の風味が広がります。個人的にこのレシピのポテトサラダが大好きですが、燻マヨで大きくグレードアップしました。また、シラスのパスタも一口含むと燻製の風味が「ガツン」とやってきます。これなら、塩分取りすぎを気にされている方でも燻製の風味が満足感を与えてくれます。
 かけるだけ混ぜるだけで簡単に燻製の風味が得られるかずさスモークの燻製商品は個人的にお勧めの逸品です。
燻製オリーブオイルと燻製マヨネーズ
燻製オリーブオイル
燻製したオイルで作った燻製マヨネーズ

燻製料理
燻製マヨネーズを使ったポテトサラダ
ガーリックとシラスと燻製オリーブオイルを混ぜるだけ

●取材先
株式会社リオ
〒292-0054 千葉県木更津市長須賀2038-4
URL: https://kazusa-smoke.com/
Facebook: https://www.facebook.com/kunseishouyu
Instagram: https://www.instagram.com/kazusasmoke.lio.nao/
(2022/2/10)
Vol.46 【勝手に注目】酒蒸し蛤 いかだ焼き本舗 株式会社正上
酒蒸し蛤 いかだ焼き本舗 株式会社正上
古くから日本人に食べられてきた蛤
 蛤は、北海道南部から九州にかけての日本各地で獲れ、古くは一般的な二枚貝の総称として呼ばれていました。奈良時代に書かれた「日本書紀」にも天皇に献上した料理に蛤の記述があり、これは日本最古の料理の記録とされているようです。
 平安時代に貴族の間で広まった「貝合わせ」という遊びは、蛤の貝殻の内側書かれた花鳥や人物などの美しい絵が見えないように裏返して並べ同じ絵柄同士を合わせて遊ぶもので『源氏物語』にも登場するなど、身だけでなく貝殻までも遊びとして使われていた事から、蛤がいかに親しまれていたかが伺えます。
 江戸時代には「その手はくわなの焼き蛤」と洒落にも使われるほど東海道の宿場「桑名」の焼き蛤が名物になり、焼き蛤の産地として知名度を高めていました。
 このように日本人にとっては古くから親しまれ食されており、加曾利貝塚からも多くの蛤の貝殻が出土している事から千葉でも古くから食されていた事がわかります。
 九十九里は今でも鰯と共に蛤が名物になっており、「九十九里地蛤(くじゅうくりじはまぐり)」として千葉ブランド水産物の認定を受けています。その食べ方は「浜焼き」と呼ばれるシンプルに網焼きしたものや、祝いの膳にも使われる「潮汁」などの他、身を串に刺してタレを付け焼く「焼き蛤」が名物になっています。
千葉名産の蛤
千葉名産の蛤
平安時代に貴族の遊びだった貝合わせ

創業1800年の老舗「いかだ焼き本舗 株式会社正上」
 千葉県香取市の佐原は街を流れる小野川を中心に古い建物が並ぶ「小江戸」として観光地になっています。その小野川沿いで千葉県の有形文化財に指定されている「いかだ焼き本舗 株式会社正上」は、1800年(寛政12年)創業の老舗です。
 「油正」という屋号で油全般の製造販売からスタートし、三代目になって「正上醤油」として醤油醸造業をはじめ、醤油や米を江戸で販売し、江戸からは生活物資を仕入れ地元で卸すなど多角的に商いをしていました。
 太平洋戦争後の1950年(昭和25年)には正上醤油株式会社として法人化、1958年(昭和33年)には自社の醤油を使って家伝として作られていた「わかさぎのいかだ焼き」を商品化し販売するようになりました。この「いかだ焼き」という名前は、「わかさぎ」を串に刺して並んでいる様を「いかだ」になぞらえて付いた名前だそうです。
 1987年(昭和62年)には新しいニーズに合わせるべくレトルト食品、真空加工食品、チルド食品など独自の技術で次々と新しい商品を開発しています。
 その功績から2016年(平成28年)には「フード・アクション・ニッポンアワード2016」で蛤の酒蒸しが「究極の逸品入賞100選」に入賞。2017年(平成29年)には「蛤 あさり串詰め合わせ」で「日本ギフト大賞」の千葉賞を受賞、更に「九十九里浜蛤酒蒸しお吸物セット」で「おみやげグランプリ2018」で「グルメ賞」、を獲得するなど、その味と加工技術で高い評価を得ています。
佐原の町並み
「焼き蛤」と「蒸しはまぐり」を食べてみた
 今回注目したのは正上さんの「焼き蛤」と「蒸しはまぐり」で、いずれも常温保存できる真空パックで販売されていました。
 聞くところによると、正上さんの真空包装の技術は独自に開発された技術だそうで、それぞれの商品に最適な状態で真空または含気(若干空気を残した状態)で長期間保存できるようになっています。購入した商品はいずれも賞味期限は3か月になっていました。
 まず試食したのは、焼き蛤です。見た目がしょっぱそうなので、日本酒に合うだろうと思い、酒のつまみとして試食してみました。ひとくち食べてみると、タレの味が勝っていると思っていましたが、思っていたよりしょっぱくなく、蛤の味がしっかり感じられます。酒のつまみとしても最適でした。この味が出せるからデパートで定番の焼き蛤になっているのは納得でした。元々醤油メーカーで醤油を知り尽くしているからこそ、この味が出せるのかもしれません。
 もう一方の「蒸しはまぐり」は、パッケージに「『はまぐりごはん』や『お吸い物』」などの料理に」と書かれていましたが、真空パックの中に蛤の出汁も一緒に入っているので、この出汁も使ってシンプルにお吸い物にしてみました。
 パックから蛤を取り出すと、既に調理されているので蛤の貝は簡単に開きました。手毬麩と三つ葉を添えて蛤の汁を入れただし汁を注げば完成です。作るのも簡単で、シンプルな食べ方ですが、蛤の味がよくわかり、身も柔らかくおいしい逸品になりました。きっと独自の加工法だからこのように仕上げる事が出来たのでしょう。
 蛤なので安い商品ではありませんが、美味しく手軽に食べる事ができる逸品だと思うので、是非お試しあれ。
焼き蛤と蒸し蛤
真空パックされた焼き蛤
九十九里浜産の蒸し蛤

蛤料理
焼き蛤はつまみとしてネギ炒めと人参しりしりを添えて
蒸し蛤は手毬麩と三つ葉を添えてお吸い物に

●取材先
いかだ焼き本舗 株式会社正上
〒287-0003 千葉県香取市佐原イ3406
URL: https://www.shoujyou.com/
(2022/1/7)
Vol.45 【勝手に注目】房州大福温泉 ちちんぷいぷいの湯
房州大福温泉 ちちんぷいぷいの湯
千葉は関東で2番目の温泉地
 温泉とは一定の温度又は物質を有するものとされており、1948年(昭和23年)に温泉法が公布されました。一定の物質とは温度が25℃以上あるか、決められた物質のうちひとつでも満たされているかで、温泉であるか否かが決められます。
 令和元年の環境省が発表した温泉利用状況によると、千葉県の温泉の源泉総数は155件で関東地方の中では5位ですが、温泉地数では1位の群馬県の98件に次いで2位の91件で意外に温泉地が多いことがわかります。
 温泉の元になる水は、雨水が長い年月をかけて地下深くまで浸み込んでできた地下水の「天水(てんすい)」と、地殻の変動などによって閉じ込められた太古の海水の「化石海水」、更にマグマが冷え固まって岩石になる過程で発生した水の「初生水(しょせいすい)」という3種類があります。
 火山の熱で高温な湯が湧き出る「初生水」で「源泉かけ流し」が温泉というイメージが強いですが、「天水」や「化石海水」も立派な温泉で、熱いお湯を「温泉」温度の低い温泉を「冷泉」と表現されたりもします。
 千葉県は火山が無い事から温泉の元になる水は「天水」と「化石海水」が、地温勾配(ちおんこうばい)という地下100mごとに3℃上昇するという温度差で得られる熱で温められたものです。水温は低めで全体の60%程度は15℃~20℃の温泉水(冷鉱泉)だそうで、風呂として使うには適温まで沸かす必要があります。
千葉県の温泉
スパ施設もある勝浦のホテル三日月
幕張の海岸JFA夢フィールド幕張の湯

千葉の温泉の多くは「療養泉」
 一般に「温泉」というと治療目的に使われる「療養泉」を意味しますが、実際には温泉に分類されるもの全て効能があるわけではありません。温泉が療養泉の基準に満たない場合は泉質名が無く、温泉分析書に「温泉法上の温泉」または「温泉法第2条に該当する温泉」とだけ記述されるだけで、よく温泉施設などで掲示されている「泉質名」の表記はされないそうです。
 一方、「療養泉」は「源泉温度が25℃以上であるか、「溶存物質の総量」「総硫黄」「二酸化炭素(遊離炭酸)」など含有成分に関する7つの特定の条件のうち1つ以上規定値に達しているもの。)という規定があり、含まれている化学物質の種類とその含有量によって単純泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、二酸化炭素塩泉、含ヨウ素泉、含鉄泉、酸性泉、硫黄泉、放射能泉の10種類に分類されます。
 千葉県の温泉の90%近くは「療養泉」で、源泉の温度が42℃以上の温泉が2件、42℃未満~25℃以上が35件、25℃未満が118件と全体の76%程でそのほとんどが温度の低い温泉です。また、泉質も様々で無色透明なものもあれば、亀山温泉、養老渓谷温泉や白子温泉の様にヨウ素が多く茶褐色など様々な泉質の温泉が県内全域に存在しています。
 宿泊に限定されるわけでもなく日帰り温泉が出来る施設も多いので、県内各地の温泉を入り比べてみても良いかもしれません。
白子温泉の源泉
白子温泉の源泉
道の駅むつざわ内には「むつざわ温泉」ができた

冷凍会社が運営する宅配温泉「ちちんぷいぷいの湯」
 房総半島南部の鋸南町にある製氷と水産物冷凍製造販売をしている大福商店の製氷工場内には、何と温泉があります。2002年(平成14年)頃に掘られたものだそうで、掘られた当初は無人でコインを入れて一定量の温泉が買える温泉スタンドの装置があったそうですが、もっと広くこの温泉を知ってほしいと無人販売を辞め、「温泉は万病に効果がある」という話から「房州大福温泉 ちんぷいぷいの湯」と名付けて温泉を宅配便で販売するようになりました。
 泉質は「ナトリウム・カルシウム・マグネシウム―硫酸塩冷鉱泉」だそうで、無色透明な療養泉で、一般的な療養泉の効果の他、きりきず、抹消循環障害、冷え性、皮膚乾燥などにも効果が期待できるそうです。
 インターネットで買う事が出来、10ℓで送料・税込みで2,400円とそこそこ値段はしますが、温泉旅行に行くことを考えると高くはありません。他にも風呂2回分の20ℓだと送料・税込みで3,000円とお得です。また、定期便での購入もでき、週1回届く定期便もあります。
 荷物として届いたのは、段ボールに包まれたウオータータンクに入った温泉で、一般的な浴槽の量、約200リットルに対してタンク一杯分の10ℓが目安だそうで、風呂が給湯器を使っているなら湧いている風呂に入れて追い炊きで好みの温度にするのがお勧めで、他にも最初に高めに沸かしておいて、温泉で温度を下げてちょうどいい温度にするのでも良いそうです。我が家も給湯機式なので、適温の風呂に10ℓの温泉を入れて使ってみました。
 汲みたての温泉だと若干硫黄臭のようなにおいがしますが、商品が届いた翌日にはほとんどにおいがしませんでした。
 聞いてはいたものの湯上りで体全体がぽかぽかと温かく、手先、足先にもよく血行が良くなっているのがわかります。冷え性の人にはもちろんの事、これから寒くなっていくので冬は最適です。「風呂に温泉を入れると風呂釜が壊れないか?」という疑問もありそうですが、10倍以上に薄めるので問題は無く、鉄など影響を受けやすい部分はよく洗浄しておけば大丈夫だそうです。
 大福温泉の温泉は富津市にある旅館「かぢや旅館」さんへも提供しているということです。本物の温泉が、宅配便で届くという便利さ。一度お試しあれ。
製氷工場の敷地内に温泉
製氷工場の敷地内に温泉がある
冷泉なので蛇口から直接注がれ、宅配便で配送される

富津市金谷のかぢや旅館
大福温泉を採用している富津市金谷のかぢや旅館
届いた温泉を風呂の湯に足して追い炊きする

●取材先
有限会社大福商店
〒299-2117 千葉県安房郡鋸南町勝山126
(大福温泉のWEBサイト)URL: https://daifuku-syouten.raku-uru.jp/
(2021/12/10)
Vol.44 【勝手に注目】うなぎ 株式会社TOMURA(戸村川魚店)
うなぎ 株式会社TOMURA(戸村川魚店)
実は千葉県も「鰻」が有名
 鰻は縄文時代の貝塚で骨が出土している事から、5000年も前から食べられていたようです。古くから日本人にとってなじみのある食材で、万葉集の歌にも歌われているそうです。
 現在の千葉県は印旛沼や手賀沼、茨城県は霞ケ浦、北浦そして東京都には多くの川が流れ込んでおり、常に水害が発生するような土地でした。このような環境であったため多くの鰻が生息できる環境があり、千葉県や茨城県は最も古くからウナギを食べていたといわれているようです。
 その後徳川家康が江戸の街づくりをしていくために江戸の町に流れ込んでいる川の整備が開始され、利根川東遷事業を行った事で現在の利根川の骨格が出来上がっていきました。
 整備された利根川は物流の動脈となっていき、川に面した銚子や佐原、野田などが発展し、物資だけではなく観光客も訪れるようになっていきました。
 当初は鰻を塩や酢味噌、辛子酢などで食べていたようですが、室町時代後期には醤油が調味料として生産されるようになり、現在の食べ方に近くなっていきました。
 現在の蒲焼のような形になったのは江戸時代に入った18世紀頃にヒゲタ醤油で濃い口醤油が作られるようになった事が始まりとされ、今でもほぼその頃と同じような食べ方が続いています。
 県内で鰻が名物として有名なのは利根川に面した佐原の他、成田山も名物として参道に数件の鰻屋が軒を並べ観光客でにぎわっています。
千葉県は「鰻」が有名
佐原の街を流れる小野川
鰻屋が軒を並べる成田山の参道

戸村川魚店は130年続く香取市の老舗
 戸村川魚店は1897年(明治30年)に、利根川などで獲れる川魚専門の仲買として佐原で創業したそうです。主な仕入れ先は漁師を兼業していた農家の人たちで、農閑期や稲作の合間に鰻や鯉、ドジョウ、しじみなどを持ち込んでいたそうです。
 現在の戸村川魚店は法人化し、社名を「株式会社TOMURA」になりましたが、その伝統を引き継いでいくため創業から130年も続く「戸村川魚店」という名前も残しているそうです。
 現在は利根川で鰻や鯉などを獲る漁師さんはほとんどいないようで、残念ながら扱う魚も鰻が大半で仕入先も国内の産地から上質な鰻を仕入れているそうです。社長のお父様が亡くなった後、社長が跡を継ぐまでの間はお母さまひとりで鰻を捌いて白焼きにしたものを近くの料理屋さんに納めたり、近隣のお客様だけを相手にして頑張っていらっしゃったそうです。
 社長が跡を継がれてからは、新たなお客様を開拓すべく鰻のおにぎりを作ってプロバスケットの試合で販売する事から始め、現在は千葉そごうにも出店し、ネット販売も始めるなど多くのファンを作られています。
 戸村川魚店の鰻の特徴は上質な鰻の仕入れはもちろんの事、店にある塩水の井戸水で鰻の泥吐きを良くしているため臭みが無い事で、タレの味でごまかせない白焼きで勝負されている事です。
130年も続く「戸村川魚店」
戸村川魚店の鰻は塩水で臭みを抜いている
捌いた鰻は白焼きにして出荷

戸村さんの白焼きを初体験
 今回は戸村さんの鰻を勝手に評価という事で、千葉そごうのお店に伺って購入させていただきました。売り場の隣には何やら東京の鰻屋さんで、競争させられている感が強くシビアな中で勝負をしている感満載です。
 伺った時間が午後3時頃でしたが、肝心な鰻はあと二つ。あぶなく買い損ねるところでした。無事白焼きとタレをお願いしたところ、後から来たお客さんが「あとひとつしかないの?楽しみに買いに来たのに残念」としきりにいっていました。ちなみにお隣の店の蒲焼はまだ在庫があったようです。戸村さんの人気が半端ない。
 帰ってから早速調理にかかります。大きな鰻なのでまずは半分に切って白焼きと蒲焼の二つの味でいただきます。親切に調理の仕方が付いていました。
 白焼きは上級コースと中級コース、初級コースの三つのやり方がありますが、今回はフライパンに日本酒を入れて蒸し焼きにする中級コースを選びました。蒲焼は上級コースと中級コースがありますが、こちらも中級コースを選びました。白焼きと同様にフライパンに日本酒を入れて蒸し焼きにした後、更にタレを入れて5分煮込めばいい香りがして出来上がり。
 まずは白焼きから頂きます。蒲焼の鰻しか食べた事がありませんでしたが、身がしっかりしていて弾力がありうわさ通り確かに美味い。お勧めの食べ方はわさび醤油の他にしょうが醤油、にんにく醤油がありましたが、鰻の美味さを感じやすいわさび醤油を選んで正解だったと思います。
 続いて定番の蒲焼を賞味しました。佐原や成田の鰻のタレはどちらかというと甘みが少なく「しょっぱい」タイプのタレが多い印象がありましたが、戸村さんのタレは王道の「甘じょっぱい」タイプです。白焼きよりも多く火を通していますが、それでも身がしっかりしていて、こちらも期待通り美味い。
 家庭で高級店の味が楽しめる戸村さんの鰻は自信をもってお勧めできます。是非お試しあれ。
ピーナッツペースト
名物鰻の白焼き
白焼きを蒲焼に変身させるうなぎのタレ

ジーマミ豆腐とバンバンジー
まずは半身を白焼きをわさび醤油で食べてみる
残りの半分はうなぎのタレで蒲焼に変身

●取材先
株式会社TOMURA(戸村川魚店)
〒289-0304 千葉県香取市下小堀126-7
URL: https://www.unagi-tom.com/
(2021/11/10)
Vol.43 【勝手に注目】ピーナッツペースト セガワ
ピーナッツペースト セガワ
全国一の落花生生産県「千葉」の誕生
 千葉県の落花生栽培は、全国の生産高のおよそ80%を占めるという日本一の落花生生産県です。落花生は南米が原産で東南アジアを経て沖縄に入り、沖縄ではかなり古くから栽培されていたようです。本州には江戸時代に中国から入ってきたようですが、当時は栽培される事はありませんでした。
 千葉県で落花生といえば八街が有名ですが、実際には1876年(明治9年)に山武市で初めて栽培されました。この頃の旭市の周辺は「椿の海」と呼ばれていた湖を干拓したやせた砂地でこの土地に適した作物を探し、当時の県令(知事)の柴原和が1877年(明治10年)に鹿児島から種子を取り寄せ、栽培を奨励しました。
 販売に尽力したこともあり、旭市で栽培された落花生のおかげで千葉県は落花生の生産地になったものの、干ばつに弱く収穫量が安定しなかったため、次第に生産量が少なくなっていきました。
 一方八街は干ばつの影響を受けにくく、収穫量が安定する品種を中国から仕入れて生産に成功しました。こうして落花生の生産地の中心が旭市から八街市に移っていき、落花生といえば八街というブランドが誕生しました。
落花生発祥の地記念碑
JR八街駅前にはピーナッツのオブジェがある
旭市の鎌数伊勢大神宮には千葉県落花生発祥の
地記念碑がある

Bocchiブランドで高品質な加工品を提供する
株式会社セガワ
 株式会社セガワは、千葉県旭市で1946年(昭和21年)に米問屋として創業。その後落花生の卸もはじめ、現在は落花生を使ったピーナツペーストをはじめ様々な落花生の加工食品の製造もしています。
 落花生を使った商品は匝瑳市にある工場で製造しており、高品質な落花生を使っているので、自信をもって販売できる商品に仕上がりました。この商品を広く知ってもらうため、Bocchi(ぼっち)というブランドを立ち上げ、商標も取得しました。更に、ホームページはカメラマンやライターなどプロの方たちの力も借りて発信を続けると共に、商談会などにも積極的に参加し、Bocchiを知ってもらうための努力をしました。その結果プロの料理人にも評価してもらうまでになる事が出来ました。
 現在は農業法人格を取得して自分たちでも落花生の栽培を始めました。
その理由は2つ。
①生産者高齢化による作付け面積の減少に歯止めをかけるため、落花生栽培の機械化(省力化)を推進すること。
②おいしさは畑から始まっているということを深く理解し、直にお客様に伝えること。
 また、セガワの落花生栽培の取り組みではイベントとして社員とお客様が一緒に種まきをするなどの取り組みを実施する事で、参加した社員が更に良い商品づくりに意識を向けていく事に期待しています。この取り組みによって、セガワの商品を買ってくれるお客様が増え、落花生を農家からより高く買い取れるか、更にセガワが自分たちの落花生栽培で得た知識や技術を使ってどれだけ農家をフォローアップできるかという課題に挑戦中です。落花生を提供してくれる農家にも「セガワに納品しているんだ」と胸を張ってもらえるようなwin-winの関係になっていく事を期待して頑張っています。
旭市の落花生と落花生加工商品
旭市でも落花生栽培がさかんに行われている
セガワの落花生加工商品たち

ピーナッツペーストで作ってみた
  無添加濃厚なピーナッツペーストを使って今回チャレンジしたのは「ジーマミ豆腐」と「鶏ささみのバンバンジー風」です。料理用なのでピーナッツペーストは砂糖不使用の物を使いました。
 インターネットで調べるとジーマミ豆腐のレシピは若干違いがあるようですが、今回は固めるために粉寒天を使用しました。レシピはインターネットでお好みの物を使ってください。冷蔵庫で冷やし固めたジーマミ豆腐を一口食べてみると、自慢の千葉県産の落花生で出来ているだけに落花生の風味がすごい。落花生好きなら大満足の仕上がりで、売っているジーマミ豆腐よりも濃厚でおいしい物が出来ました。
 もう一品は、「鶏ささみのバンバンジー風」です。通常バンバンジーのタレはすりゴマやコマペーストを使うようですが、今回はゴマの代わりにピーナッツペーストを使いました。ピーナッツを使っているので、よく食べているバンバンジーとは一味違う物に仕上がりました。濃厚でなめらかなバンバンジーのタレが、鶏ささみとキュウリに絡み、ひとくち口に入れるとこちらも落花生の風味がガツンときます。ゴマを使ったバンバンジーとはまた違った美味しさでした。
 今回試した2品は簡単に作れるものでしたが、砂糖不使用のピーナッツペーストはもっといろいろな料理に使えそうです。同じようなピーナッツペースト商品はたくさんありますが、砂糖不使用で千葉県産の高級落花生をペーストにした株式会社セガワの砂糖不使用のピーナッツペーストは私のイチオシの商品です。是非お試しあれ。
ピーナッツペースト
今回使用した砂糖不使用タイプのピーナッツペースト
 ピーナッツペーストは柔らかくトロトロな感じ

ジーマミ豆腐とバンバンジー
ピーナッツペーストで作ったジーマミ豆腐
 ピーナツペーストで作ったバンバンジー風

●取材先
株式会社セガワ
〒289-2524 千葉県旭市神宮寺8323-6
URL: http://bocchi-peanut.jp/
Instagram: https://www.instagram.com/bocchi_peanuts/
(2021/10/8)
Vol.42 【勝手に注目】鰹つゆ 永井商店
鰹つゆ 永井商店
千葉にも鰹つゆ
 古事記の中に登場する堅魚(かたうお)は鰹を天日干ししたもので、他にも煮堅魚(にかたうお)は鰹を煮てから干したもの、堅魚煎汁(かつおのいろり)は煮堅魚の煮汁を煮詰めて作ったもので、調味料として使われてきました。特に煎汁(いろり)は、味噌や醤(ひしお)、酢など大陸から渡ってきた発酵調味料と並び使われました。
 室町時代になると、天日干しした堅魚や煮堅魚を薪の煙でいぶす焙乾(ばいかん)という方法がとられるようになり、現在の鰹節に近い製法が行われるようになりました。
 その後1674年(延宝2年)に紀州の国(現在の和歌山県)の漁師の角屋甚太郎は、燻製で魚肉中の水分を除去する燻乾法(くんかんほう)を考案し、現在の荒節に近いものが作られるようになりました。この燻乾法は秘伝とされ長く一部の地域のみで行われ、熊野節(くまのぶし)として当時は人気を呼んでいたそうです。
 甚太郎の技術を受け、土佐(現在の高知県)でも鰹節の製造が始まりましたが、大坂・江戸などの鰹節の消費地から遠く、カビが生えてしまうため土佐藩は改善に取り組み、良質な鰹節カビを付着させて悪カビの発生を防ぐ方法を開発し秘伝の「土佐節」として名を馳せるようになりました。
 その後薩摩藩(現在の鹿児島県)でも、紀州の森弥兵衛によって製法を入手し、薩摩節も世に知られるようになりました。
 江戸後期になると、紀州の鰹節職人の土佐与市(とさのよいち)により安房国朝夷郡南朝夷村(現在の千葉県南房総市千倉町)に鰹節の製法を伝授し、続けて伊豆にも製法を広めました。
 『千葉県史』では1879年(明治12年)当時の鰹節の生産量は県単位では宮城・高知・和歌山などをしのぎ全国中第一位だという記録も残っているようです。
かつお節
かつお節
かつお節を削った「花かつお」

永井商店の花かつおは無添加にこだわった本物の味
 元々鴨川地区にあった鰹節屋は、鰹節をそのまま問屋へ販売するのではなく、削り節に加工し、蕎麦屋を相手に販売していたそうで、今回ご紹介する有限会社永井商店もその一軒だったそうです。
 千葉県の鰹節生産は200年以上の歴史を持ち、一時はトップの生産高を誇っていた事実はあるものの、今では千葉の鰹節が認知される事が少なく、一般家庭で出汁をとる習慣が減っていく事実を危惧した永井商店の社長は、「房州産鰹節鯖節・削り節生産会」として「房州産鰹節・花かつお/房州産鯖節・鯖花削り」で「千葉ブランド水産物」に認定され少しでも知名度改善ができるようにと努力されています。
 またこの「房州産鰹節・花かつお/房州産鯖節・鯖花削り」は、2019年(令和元年)11月12日に天皇陛下御即位の際に行われた大嘗祭(だいじょうさい)の庭積机代物(にわづみのつくえしろもの)として千葉県から献上された農水産物5品目のひとつとして選ばれました。
 永井商店の商品のラインアップは花かつお、さば花削り、厚削りなど鰹節関連の他、鰹節をベースに様々ありますが、社長のこだわりはどの商品も材料と添加物を一切使わない事でだそうで、「美味しくて安心・安全な商品」を提供されています。
 このような永井商店のこだわり商品は、道の駅など一部の店舗の他、自社のネットショップで購入する事が出来ます。
「花かつお」と「さば花けずり」
代表的な商品「花かつお」
房州産のさばを使った「さば花けずり」

勝手の良い粉末商品と鰹つゆ
かつお、煮干し、こんぶなど使い勝手の良い粉末商品
今回のイチオシの鰹つゆ

出汁醤油としての逸品「鰹つゆ」
 永井商店さんの鰹節や鯖節はもちろん美味しいのですが、代表的な「花かつお」や「さば花けずり」ではなく、今回あえて取り上げさせてもらったのは「鰹だし」です。
 「鰹だし」に使われている醤油は、竹岡式ラーメンで「ダシが必要ないほど強い個性を持っている」といわれる富津の宮醤油店の丸大豆醤油を使い、永井商店の房州産鰹節・鯖節・宗田節に羅臼昆布とみりんを加えただけで人工調味料は一切使用していない逸品です。
 まずは定番の蕎麦つゆで食べてみました。今回試食で使ったのが10割そばで、蕎麦の風味が強く、蕎麦つゆの味がわかりにくいものを選んでしまって失敗だったかなと思っていました。ラベルに書いてある通り「鰹だし」を冷水で薄めて作った蕎麦つゆで食べてみると、そばの風味の後に醤油の風味がやってきて、最後に鰹の風味がやってきました。風味が強い醤油だと感じましたが、それに消されない鰹の風味がすごい。うどんやそうめんなどならこの風味はもっと感じるでしょう。
 次に試したのが「だし醤油」としての食べ方です。実は個人的にこの食べ方が一番好きで、「冷ややっこ」にかけると、スーパーの安い豆腐でも別物の様に食べられます。
 そして作ってみたのがナスの揚げ出しです。素揚げしたナスに大根おろしとおろし生姜、いろどりにパプリカも素揚げしました。「鰹つゆ」を薄めずそのままかけて食べてみました。大根おろしと生姜の水分でちょうど良く希釈され、ただの醤油をかけるより抜群においしく食べる事が出来ました。
 永井商店の無添加でこだわりの「鰹つゆ」ぜひお試しあれ。
玄で巻いてみた
まずは「そばつゆ」として
 いちばん好きな「揚げナス」や「冷ややっこ」に
だし醤油として

●取材先
有限会社永井商店
〒296-0034 千葉県千葉県鴨川市滑谷190
URL: https://nagai-katsuobushi.com/
(2021/9/10)
Vol.41 【勝手に注目】玄 加藤海苔店
玄 加藤海苔店
江戸時代に始まった海苔の養殖
 飛鳥時代から日本人は海苔を食べる習慣があり、平安時代になると貴族たちは副食として海藻を食べ、その後鎌倉時代から室町時代になると、海苔の食べ方は現在に近い食べ方をするようになっていたようです。
 江戸時代になると海藻を食べる習慣が庶民の間に広がり、徳川家康が江戸城建築の際に食糧の集散地だった浅草の隅田川河口で採れた海苔が「浅草海苔」として広まりました。その後、当時の隅田川河口は埋め立てられたものの、東京湾で採れる海苔が「浅草海苔」と呼ばれるようになったようです。
 一方、江戸の漁師は毎日鮮魚を将軍家に献上するため、桟橋に竹などに生け簀を作って常に鮮魚を献上できるようにしていました。この生け簀に、冬になるとたくさんの海苔が生える事に着目し、海苔の養殖が始まったようです。また、江戸中期の享保年間には「海苔すき」をするようになり、現在のような海苔が作られるようになりました。
 一方、江戸の海苔商人「近江屋甚兵衛」が当時品川や大森でしかできないといわれていた海苔を千葉で養殖しようと各地に勧誘して歩いていましたが、なかなかそれを聞き入れる土地がありませんでした。千葉県の海苔の生産は、唯一甚兵衛の誘いを聞き入れた現在の君津市人見地区から養殖が始まり、「上総海苔」として知られるようになり、その後千葉県の東京湾沿岸に広まっていきました。
海苔の養殖
海苔の養殖
かつて東京湾沿岸では海苔を干す姿が普通に見られた

千葉の海苔にこだわる
 東京メトロ東西線の南行徳駅南口の駅前にある加藤海苔店は、1934年(昭和9年)に創業した三代続く海苔問屋で、千葉県産の海苔をはじめ、選りすぐりの海苔やお茶、落花生をはじめ千葉のおいしい物を販売しています。
 加藤海苔店の加藤社長は、食習慣の変化で海苔を食べる機会が少なくなった人たちに改めて「もっと海苔を食べて欲しい」という思いで、普通なら味付け海苔にはしない、有明産の香り高い柔らかな一番摘みの海苔に「こだわり」の12種類のフレーバーをまとわせた「玄」シリーズを発売したそうです。
 「高級海苔を味付け海苔にするなんて」と同業者からは白い目で見られた事もあったようですが、発売してみるとその柔らかさ、おいしさで大好評を得ています。
 加藤社長が玄シリーズのヒットに続いてチャレンジしたのは、地元千葉県産の海苔を練り込んだ「海苔チョコ」の開発でした。奇抜な発想のようですが、出来上がったチョコレートは、チョコレートの味の後に来る海苔の風味がちょっと癖になる逸品に仕上がりました。
 加藤海苔店のある行徳周辺の三番瀬は、1960年代に始まった埋め立てが進むまでは盛んに海苔の養殖が行われていましたが、今では海苔養殖の姿を見る事が少なくなってしまいました。それでも千葉の海苔にこだわりたい加藤社長は、希少価値になりつつある千葉の海苔を積極的に扱うと共に、今でもわずかに生産されている地元行徳の一番摘みの海苔をあえて「やっぱり行徳でしょ!」という名前で販売し、千葉の海苔の復活を夢見ているそうです。また、自ら「三代目海苔蔵」と名乗り「海苔おじさん」として地元の小学校で出前講座を行ったり、テレビにも出演し、「千葉の海苔の魅力を知ってもらう」「海苔をもっと食べてもらう」活動を続けています。
 今や千葉県の海苔の生産高は、10年前までは乾のり換算で2~3億枚の収穫があったものが8,500万枚まで落ち込んでいるそうです。その原因は地球温暖化の影響を受けた東京湾の変化や、クロダイに養殖海苔を食べられてしまう被害が増加するなどなので、何とか良い対策を講じて千葉の海苔を守ってほしいものです。
やっぱり行徳でしょと海苔チョコ
地元産の「やっぱり行徳でしょ!」
海苔の香りがする「海苔チョコ」

玄を食べてみた
 今回の試食をする際にあたって、地元にこだわった「やっぱり行徳でしょ!」という行徳産の海苔もありますが、今回はあえて高級海苔を味付け海苔にした「玄」を試食しました。一般的な味付け海苔に比べ、柔らかく口の中で溶けるようにほどけていきます。大手海苔店などもそれぞれ色々な味付け海苔を販売していますが、加藤海苔店の「玄」は秀逸の出来だと思います。12種類の味も一つ一つ社長が厳選して選んだものなので、ハズレが無くお好みで選べる充実のラインアップになっています。
 白いご飯に合わせるのが間違い無いのはわかっていますが、今回の試食は「つまみ」として味わうという、あえて別の食べ方を試してみました。
 また、「玄」はそのままでも十分つまみになり、あっという間にひと缶食べきってしまいますが、今回は簡単なアレンジメニューで味付け海苔の味を生かせると思われる食材を使ってみました。ちなみに今回使った「玄」は、他の食材と合わせやすい「わさび」と「唐辛子」です。
 一つ目は「わさび」玄の上にネギトロを載せてネギトロ海苔。シャリはありませんが、つまみとして食べるには定番のうまさでネギトロとワサビで愛称はバッチリです。また、アボカドをつぶして小エビを合わせたもの。これも回転ずしのネタにもあるので間違いない。更にイカの天ぷらにチャレンジしてみましたが、海苔との量のバランスがいまひとつで「玄」のうまさが薄まってしまいました。
 一方「唐辛子」は海苔にスライスチーズとハムと、スライスチーズとキュウリを巻いたものは想像通り定番のうまさでした。更に玉子焼きにもチャレンジしましたが、玉子焼きが甘めだったのでいまひとつの結果でした。出汁感の強い玉子焼きならもっと合うかもしれません。
 「玄」は良い海苔なので、何と組み合わせてもまずいという事はありませんが、せっかくの味付けが生きる組み合わせをこれからもいろいろ試してみようと思います。加藤社長も玄と組み合わせるレシピを開発中とか。間違いない味付け海苔「玄」お勧めです。
味付け海苔「玄」
味付け海苔「玄」のラインアップ 梅、醤油、焼海苔、塩、オリーブ&ソルト、かつおまぶし、ブラックペッパー、
バター風味、瀬戸内レモン、わさび、唐辛子、青のりまぶし、と味は全12種と充実のラインアップ

玄で巻いてみた
ネギトロ、アボカドとエビのサラダ、いかの天ぷらを
玄のワサビ味に載せてみた
ハムとチーズ、キュウリとチーズ、玉子焼きを
玄の唐辛子味で巻いてみた

●取材先
有限会社加藤海苔店
〒272-0138 千葉県市川市南行徳1-16-27
URL: https://www.kato-nori.com/index.htm
Facebook: https://www.facebook.com/yoichi.kato.779
Instagram: https://www.instagram.com/yoichi.kato.779/?hl=ja
(2021/8/10)
Vol.40 【勝手に注目】長狭米 竹ノ内米店
長狭米 竹ノ内米店
献上米の長狭米
 古くは世界一の人口を抱えた江戸に食糧を供給する基地として特に、物流の大動脈だった利根川沿岸の地域を中心に千葉県の米作りは発展してきました。2020年(令和2年)の都道府県別コメの生産量ランキングでは、7位が茨城県、9位が千葉県と関東では2番目の生産高を誇っています。
 千葉県は温暖な気候なので8月中旬から新米が収穫できる関東一の早場米の生産地です。なかでも千葉の三大ブランド米は、県の北東部にある多古町の「多古米」、県の南東部のいすみ市には「いすみ米(国吉米)」そしていすみ市から更に南に下った鴨川市の「長狭米(ながさまい)」です。
 長狭米は北に清澄山系、南に嶺岡山系を望む長狭平野で収穫される米で、ミネラル分を多く含んだ粘土質の土壌と良質の水という環境に恵まれた土地で、明治天皇即位の大嘗祭(だいじょうさい)に献上される米を作る斎田に選ばれるなど、献上米としても知られています。1991年(平成3年)には全国農協中央会の「日本の米作り100選」にも多古米と共に選ばれるなど、その品質を評価されています。
 長狭米で栽培されている品種は、こしひかりの他、ふさおとめ、ミルキークィーンそして、千葉県が13年かけて開発した「粒すけ」もあります。なかでも人気の「長狭米こしひかり」は、もっちりとしていて適度なねばりがあり、冷めても味が損なわれないのが特徴です。
多古町の「多古米」
常に新鮮な長狭米を提供している竹ノ内米店
 外房の鴨川市から内房の鋸南町まで全長約26kmの房総半島を横断する長狭街道(別名千葉県道34号鴨川保田線)は、古くから房総半島の外房から内房を繋ぐ街道です。鴨川から街道を西へと進み、富津市に入って間もなく右に折れる県道182号線(通称もみじロード)を右折して1kmほど進んだ所に長狭米を販売する有限会社竹ノ内米店があります。
 竹ノ内米店には、一般財団法人日本米穀商連合会が認定している「お米マイスター」や一般財団法人日本穀物検定協会で認定している「お米アドバイザー」などお米の専門家も在籍しています。
 竹ノ内米店の米は、契約している農家が収穫した米の厳しい品質検査をして一等米や二等米などに分類し、専用の冷蔵倉庫に保管して米の鮮度が保てるようにしています。また、注文を受けてから精米し出荷されるため、いつでも新鮮なお米を購入する事ができます。
 精米された米は地元のスーパーマーケットや飲食店などに卸される他、個人向けには電話注文の他、自社ショップサイトで購入する事が出来ます。また、無印良品の「諸国良品」でも竹ノ内米店の「長狭米こしひかり」が販売されています。
 直接現地で購入したい場合は、鴨川市内の長狭街道沿いにある竹ノ内米店の鴨川店で購入する事が可能です。竹ノ内米店の長狭米のファンの方はドライブがてらに鴨川を訪れ、鴨川店に立ち寄って長狭米を購入しているようです。
 ちなみに竹ノ内米店のお米はネットでも販売しているので、いつでも購入可能です。ドライブなどで鴨川方面に行かれた際は、鴨川店または富津市山中の本社でも購入できます。
竹ノ内米店本社
竹ノ内米店本社
社屋の横には精米前の米を保管する冷蔵倉庫がある

竹ノ内米店
長狭街道沿いにある竹ノ内米店の鴨川店
鴨川店の店内には竹ノ内米店の全品種が販売されている

やっぱり定番で美味い長狭米
 今回改めて長狭米試食するにあたり、休日を利用してドライブがてら竹ノ内米店の鴨川店へ直行。店頭には精米したての米が並んでいました。残念ながら新米の時期ではありませんが、冷蔵庫で保管され、精米したての商品なので条件は悪くないでしょう。
 長狭米であらゆる品種が栽培されているわけではありませんが、まずは定番の長狭米「こしひかり」をチョイス。せっかくだからもう一品買っていこうと千葉県の品種で定番の「ふさおとめ」か、はたまた「ミルキークィーン」と迷いましたが、店頭で発見したのが「粒すけ」。まだ栽培され始めたばかりのこの品種は、食べた事がありません。せっかくのレポートなので初「粒すけ」にチャレンジしてみようと定番の「こしひかり」と初お目見えの「粒すけ」を購入してきました。
 近頃は健康のために「もち麦ご飯」主体の食生活を送っていますが、今日は白米のレポートなので久々の白米です。毎日食べていると当たり前で有難みが無くなってしまいますが、やっぱり「こしひかり」はモチモチして美味い。炊き立てのご飯に、味噌汁と和のおかずで満足。「こしひかり」といえば新潟魚沼産が極上といわれますが、竹ノ内米店の米はプロが選んだ米だから間違いありません。
 次に試したのが、「粒すけ」。白米で比較するのが本来ですが、あえてごぼうの混ぜご飯のおにぎりで。炊き立てのご飯に具材を混ぜ、おにぎりにしましたが、こちらも美味い。炊き込みではなく、炊き上げてから具材を混ぜたので米が柔らかくなってしまうかと思いきや、出来たおにぎりは「こしひかり」に負けず劣らずモチモチした食感です。さすが献上米にもなった長狭米。今回試した「こしひかり」と「粒すけ」他にも「ふさおとめ」や「ミルキークィーン」もありますが、いずれの品種も美味い長狭米を是非お試しあれ。
長狭米こしひかりと粒すけ
竹ノ内米店定番の長狭米こしひかり
今回初めて試食した「粒すけ」

水戻しで立派なひじき
炊き立てのご飯に舞茸の味噌汁、おかずはサバの南蛮漬け、
長芋とはんぺんと紅生姜の落とし揚げで。
ごぼうの混ぜご飯のおにぎりに玉子焼きを添えて

●取材先
有限会社竹ノ内米店
本 社:〒299-1743 千葉県富津市山中1254
鴨川店:〒296-0024 千葉県鴨川市池田327-1
URL: https://www.takenouchikometen.com
Facebook: https://www.facebook.com/%E6%9C%89%E7%AB%B9%E3%83%8E%E5%86%85%E7%B1%B3%E5%BA%97-150661101697844/
(2021/7/9)
Vol.39 【勝手に注目】房州ひじき 斎武商店
房州ひじき 斎武商店(さいぶしょうてん)
房州ひじき 斎武商店(さいぶしょうてん)
一味も二味も違う房州産ひじき
 ひじきは波の荒い海岸近くの岩場に生え、はるから初夏にかけて成熟する海藻で、日本では古くから「ひじきを食べると長生きする」といわれています。北海道から九州にかけて生息しているほか、海外では朝鮮半島や中国南部で採ることができ、国内に流通するひじきの90%は中国や韓国からの輸入品だといわれています。
 国内産のひじきは、主に伊勢志摩、鹿児島、愛媛などが産地として知られていますが、千葉県も良質のひじき「房州ひじき」が収穫できる産地の一つです。
 他県や外国産のひじきは、収穫後乾燥させたものを水戻ししてから釜炊きしますが、千葉県のひじきは、生のまますぐに釜炊きして乾燥させる「房州製法」なので、水戻ししても太くて柔らかく、しっかりとした食感と本来のうま味と香りを楽しむことができます。この製法で作られたのが「房州ひじき」です。
 千葉県南、房州産のひじきは3月の満潮と干潮の潮位差が大きくなる「大潮」にかけて各地域の漁協が収穫を行い、加工業者が事前にひじきの採れる浜ごとに入札を行い、刈り取ったひじきを加工します。収穫は1年に一度のこの時期だけなので、1年分のひじきを加工する事になります。収穫された何十トンというひじきは加工業者の元へと運ばれ、もくもくと白い煙をあげながら、釜炊きされます。加工したての「釜揚げひじき」を食べることができるのもこの時期に限られます。
房州の春の恒例 ひじき狩り
房州の春の恒例 ひじき狩り
刈り取られた大量のひじきは
クレーンでトラックに積み込む

ひじき専門の斎武商店
 鴨川市浜荻にあるひじき専門の斎武商店は、もともと新英丸という船を持って漁をしていた網本で、ひじきや魚の加工も行っていました。現社長が婿入りして直ぐに義父が亡くなってしまったそうで、漁師経験のない社長にとって漁師をするわけにもいかず、ひじき一本で生計を立てていく覚悟をし、仲間に「房州製法」を指導してもらいながら、ひと釜6時間かける釜炊きの製法を確立しました。
 知名度の低い房州ひじきを何とか売っていくため、大手スーパーへの卸やデパートなどで開催される催事への出店などを積極的に行い、「このひじきおいしいよ。食べてみて。」と試食してもらう事で多くのファンを獲得し、名刺を配り「ここに連絡してくれれば送るよ。」と通販の顧客を拡大していきました。
 努力が実った斎武さんは「知る人ぞ知る」存在になり、ひじき狩りの季節になると毎年のようにテレビの取材がやってくるなどメディアの露出も多数あります。また、そのおいしさにこだわった製品作りは、ある大手百貨店のバイヤーの方が「日本一のひじき」と評価していました。
 ふりかけ、炊き込みご飯、スープ、春雨と自慢のひじきを使った様々な商品開発にも積極的に取り組み、更に「煮つけ」のイメージしか無いひじきを、ひじきの料理ブックを配布する事で新たなレシピの提案も行っています。
 本社・工場を兼ねた直営店では、全ひじき商品をはじめ地域のおいしいものなどを販売し、常連客や観光客が立ち寄る店になっています。
ひじきでは知る人ぞ知る斎武商店本社
ひじきでは知る人ぞ知る斎武商店本社
ひじきの釜炊き中は煙がもくもくとあがっている

千葉の房州産「さいぶのひじき」を食べてみた
 このひじきに出会うまでは、弁当の箸休めに入っている小さくて固い、とてもおいしいとはいえない存在で、食卓に出されてもほとんど手を付けませんでした。従って「ひじき=おいしい」というイメージは無く、千葉生まれ千葉育ちでも千葉でひじきが採れることすら知りませんでした。
 房州の太くて大きいひじきは今まで食べてきたひじきとは別物で、癖もなく何にでも合わせることができる万能な食材でした。いちばんシンプルな食べ方は、水戻しして洗ったひじきと野菜のサラダ。大きなひじきをもりもり食べることができます。
 乾燥したひじきは、たっぷりの水で30分から1時間ほど浸して水戻ししますが、栄養分は逃げてしまうかもしれませんが、急ぐ時にはお湯で戻すと直ぐに戻すことができます。
 今回は定番のひじきの煮つけではなく、洋風のアヒージョにしてみました。お湯で戻してもふっくらと柔らかくおいしく食べる事が出来ました。千葉県産のひじきだからこそ、和風・洋風の料理を問わずおいしく食べられるのだと思います。
 通常は乾燥ひじきしか手に入りませんが、本当は何よりお勧めなのが、「生ひじき」です。「生ひじき」といっても本当の生ではなく、採れたて炊き立ての乾燥前のひじきです。乾燥したひじきと比べて格段のうまさがあります。しかし残念ながら1週間程度しか日持せず、地元の人でも収穫の時期だけの楽しみだそうです。食べてみたい方は、是非ひじき狩りの季節に訪問してみてください。運が良ければ希少価値のある「生ひじき」に出会えるかもしれません。
水戻しで立派なひじき
水戻しで立派なひじきが。サラダでも癖なくおいしい
ひじきとタコで作ったアヒージョ

●取材先
株式会社斎武商店
〒299-5504 千葉県鴨川市浜荻924番地2
URL: http://www.saibunohijiki.com/
(2021/6/10)
Vol.38 【勝手に注目】千葉の酒 梅一輪酒造
千葉の酒 梅一輪酒造
千葉の酒 梅一輪酒造
料理に合う食中酒造りに精進する
 千葉県で日本酒の生産が始まったのは江戸時代の1624年(寛永元年)といわれています。酒蔵は城下町、門前町、河岸などにぎやかな所にあったようですが、特に当時の交通の要衝であった利根川水系の河岸はその利点を生かし、一時期は江戸で消費される清酒の一大産地になっていました。
 国税庁の2018年(平成30年)度調査分の清酒製造業の数で千葉県は36件で、栃木県と並び17位にランキングされています。
 九十九里エリアに位置する梅一輪酒造は、明治元年創業の有限会社若林酒造店と大正元年創業の合資会社中田商店が1984年(昭和59年)に合併し、株式会社 山武酒造店となり、更に1993年(平成5年)に梅一輪酒造株式会社に社名変更をしました。社名の「梅一輪」は、江戸時代の俳人の「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」という句からきた名前だそうです。
 梅一輪酒造が製造する酒は、ホームページに公開されているだけで35種の酒があり、ほぼ毎年品評会に出品され、毎回賞を受賞をしているようです。日本酒呑みの方には物足りないという意見もあるようですが、杜氏さんの話では、そもそも梅一輪酒造の酒造りは九十九里で造られる酒なので、魚介のような酒の肴といっしょに楽しむ「食中酒」の酒造りをしているという事でした。「料理に合う酒」「料理を邪魔しない酒」なので、飲食店で採用されているのは納得できます。
ネット通販でも購入する事が出来る
酒造りが行われている梅一輪酒造
ネット通販でも購入する事が出来る

変わらない酵母と変わる地元産米への変更
 昔の日本酒は蔵に住み着いている酵母の力に頼って酒造りをしていたそうですが、雑菌と混同しやすく、醸造される酒が安定しませんでした。そこで1906年(明治39年)に酒造試験場が全国各地の酒蔵から60あまりの酵母を分離し、その中から優良とされたものを協会酵母として登録し、各酒蔵に提供されるようになりました。
 なかでも「きょうかい酵母9号(901号)」は、酸が少なく香気が高いので吟醸種造りに向いている酵母で、この酵母を利用する吟醸酒の発展に大きな役割を果たしたからだそうです。梅一輪酒造は目指している食中酒造りには、この「きょうかい酵母9号」は欠かせない要素として全ての日本酒に使っているそうです。
 また、2020年(令和2年)の新酒造りからはほぼ全ての酒に使う原料の米を千葉県産の物に変える事にも取り組んだそうです。今までは大吟醸酒や新種の品評会に出品する酒のほとんどは、兵庫県産の特A級の山田錦を原料にしていたそうですが、充分酒造りに使える千葉県産の山田錦の供給体制が整った事から、念願の「地元の米でおいしい酒造り」ができる体制を構築する事ができたそうです。
酒作り工程
精米された米は蒸工程へと進む
蒸しあがった米に麹菌を撒いて麹造りが行われる

酒作り工程
蒸しあがった米を入れて仕込みが行われる
仕込みタンクの中

酒作り工程
酒が仕込まれるホーローのタンク
ずらっと並ぶ酒が仕込まれたタンク

試飲して勝手に評価してみた
 2020年秋季全国酒類コンクール第一位特賞を受賞した純米酒と2020全国燗酒コンテストのプレミアム燗酒部門最高金賞を受賞した吟醸純米を買ってみました。どちらも千葉県産の「ふさこがね」で造った酒で、千葉の米を使っている所はチバビズ的にもGoodです。
 肴は日本酒に合う和食(寿司など)を用意し、純米酒はお燗がおすすめとなっているようですが、個人的にはお燗した酒が得意ではないので、ひやのまま飲んでみました。
 酒の味わいを表現するだけの知識も語彙力もなく、通の方には「それじゃわからん」と言われそうですが、千葉の地酒を20種位は試飲してきた中で、梅一輪さんの酒は「食中酒」造りをされているだけあって、どちらも癖がなく、すっきりしていて肴に合う「食中酒」だと感じました。県内の飲食店の看板に「梅一輪」の文字をよく見かけるのも納得です。
 もっと主張する酒が好きな方には物足りないのかもしれませんが、料理と一緒に酒を楽しむには最適な酒で、筆者のように癖の強い酒が苦手な方や女性や外国の方にもお勧めの飲みやすい酒だと思います。私にとっては晩酌に最適な酒でした。
日本酒に合う肴
今日は奮発して寿司と酒を楽しむ
他にも日本酒に合う肴を用意

●取材先
梅一輪酒造株式会社
〒289-1303 千葉県山武市松ヶ谷イ2902
TEL: 0475-84-2221
URL: http://www.umeichirin.com
Facebook: https://www.facebook.com/umeichirinshuzo/
(2021/5/10)
Vol.37
千葉都市モノレールのある風景
千葉都市モノレール
ギネス世界記録の懸垂型モノレール
 千葉都市モノレールは、千葉市内のJR京葉線の千葉みなと駅から県庁前駅を結ぶ1号線と、JR総武線千葉駅から市営住宅など大きな団地がある千城台駅を結ぶ2号線の2路線を持ち、「タウンライナー」の愛称で呼ばれている懸垂式モノレールです。その総営業距離の15.2kmは懸垂式モノレールとしては世界最長で、2001年(平成13年)にギネス世界記録に認定されました。
 千葉都市モノレールの沿線には千葉市役所、千葉県庁やスポーツセンター、動物公園などの施設やJRにも乗り入れしているため、現在は市民の足として利用されています。
 モノレールは大別するとレールをまたぐ跨座式(こざしき)と、レールにぶら下がる懸垂式の2種類があります。現在走行している国内のモノレールでは、跨座式は東京モノレール(東京)、多摩都市モノレール(東京)、舞浜リゾートライン(千葉)、大阪モノレール(兵庫)、北九州高速鉄道(広島)、沖縄都市モノレール(沖縄)の6路線があり、懸垂式は千葉の他に湘南モノレール(神奈川)、スカイレールサービス(広島)の2路線があります。
 レールが2本必要な鉄道に比べ、モノレールはレールが1本で済むので新たに路線用地を確保する必要も、必要なスペースが少なく、既存の道路に路線を引き道路を走る車の上を走れるなど建設費が相対的に安くつくというメリットがあります。
 懸垂式のモノレールは積雪に強くカーブを高速で走行できるという長所があり、レールをまたぐ跨座式の方は建設費が安く済むという長所があります。
タウンライナー
千葉駅
千城台駅

当初の計画は破棄となる
 タウンライナーは千葉市内で発生する慢性的な交通渋滞や、バスなど公共交通機関が受ける影響の緩和、千葉市内中心市街地への輸送体系の強化、総武線千葉駅へ一点集中の分散、海浜ニュータウンおよび内陸住宅団地と、中心市街地の交通の結合をテーマとして計画されました。
 現在1号線はJR東日本の京葉線千葉みなと駅から県庁前駅までを結び、2号線は千葉駅から千城台駅までを結んでいますが、当初は県庁前駅から市立青葉病院までの延伸ルート、更に延伸検討ルートとして千葉みなと駅から稲毛海岸へ、そこから二手に分岐して穴川方面と幕張新都心を通り幕張本郷駅へと延伸する計画でした。
 タウンライナーを運行する千葉都市モノレール株式会社は、1979年(昭和54年)に千葉県と千葉市それに民間企業が出資して第三セクターで設立され、1988年(昭和63年)に2号線のスポーツセンター駅―千城台駅が開業、1991年(平成3年)に2号線の千葉駅―スポーツセンター駅間が開業、1995年(平成7年)には1号線の千葉みなと駅―千葉駅間が開業しました。
 その後2009年代に1号線の次期延伸区間として予定されていた県庁前~市立青葉病院前までの延伸計画は、財政難を理由として白紙となり、更に当初構想にあった稲毛海岸へ、二手に分岐して穴川方面と幕張新都心を通り幕張本郷駅へと延伸検討ルートも次期延伸区間として予定されていましたが、いずれも2019年(平成31年)にモノレール導入を行わない事を決定しました。
第三セクター
スポーツセンター駅
千葉みなと駅

イベントとキャラクターでお客様により近づく
 千葉都市モノレールは、利用客を増やすためのイベントとして、他のローカル鉄道のように「歌声モノレール」や「クリスマスワイントレイン」「お花見&ワイン列車」「クラフトビールトレイン」などイベント列車を走らせるなどの取り組みも行っています。
 また、毎年秋には、荻台車両基地を会場にして「ちばモノレール祭り」を開催しています。当日は普段は立ち入れない洗車機や検修庫の施設の見学や、県内外の鉄道会社の展示やグッズ販売、野外ステージや各種店舗の出店、鉄道模型の展示やミニ機関車、芋掘りなど盛りだくさんな企画で多くの家族連れを集めるなど利用者を増やすために懸命に努力しています。
 市外への発信では、「モノちゃん」というキャラクターを作り、グッズ制作をはじめ、「ゆるキャラグランプリ」にも参戦するなどキャラクター展開をしています。また、タカラトミーグループの株式会社トミーテックが、全国各地の実在する鉄道事業者で実際に活躍している様々な職種のキャラクターを「鉄道むすめ」としてフィギュアなどの製品にして販売していますが、千葉都市モノレールでも葭川となみ(よしかわとなみ)という駅務員のキャラクターを作り、Webサイト上で行われる『鉄道むすめキャラクター総選挙』にも参戦しています。
 自社のキャラクター展開とは別に千葉県フィルムコミッションと連携し、ドラマ、映画、CMなどの撮影協力も行う他、テレビアニメとのコラボレーションなど様々なコラボレーションも行っています。なかでも2018年(平成30年)にVOCALOIDの初音ミクのバーチャルライブ開催に伴い初音ミクのラッピング車両を走らせた事がきっかけで、2020年(令和2年)までの3年間に渡ってコラボを繰り返し、ラッピング車両の他コラボグッズ販売まで展開しています。
 もっと市民に愛され、利用されるモノレールになろうと本業とは別の企画を次々導入し、利用者増、赤字解消に努力し、ギネス記録も持ち千葉市のシンボルの一つになった千葉都市モノレールをもっと利用し活用してみたら如何でしょうか。
ラッピング電車
アニメとのコラボのラッピング電車
 イベントが開かれる車両基地

モノちゃん神社
モノちゃん神社が設置されている都賀駅
改札口の中にはモノちゃん神社が設置されている

(2021/4/10)
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