●Vol.4
小湊妙の浦遊覧船協業組合
小湊妙の浦遊覧船協業組合とは
小湊妙の浦遊覧船協業組合とは、千葉県鴨川市の小湊地域にある「鯛ノ浦タイ生息地」として特別天然記念物に指定された観光地の遊覧船を運航する協業組合で、他に鯛の浦に生息する真鯛の管理と保護、遊覧船が発着する乗船場のある鯛の浦会館も運営しています。組合名が「妙の浦」となっているのは、この鯛の生息する海域を「妙の浦」と呼んでいる事に由来します。
千葉県唯一の特別天然記念物
内浦湾から入道が崎にかけての沿岸部の一部海域を鯛の浦と呼び、真鯛の群生地として本来深海性回遊魚で群れをなさない真鯛が、鯛の浦では水深10〜30mの場所に群生しています。乗船場から遊覧船で5分程度の海域がその場所で、撒き餌をするとその餌を目当てに群がってきます。天然の鯛が人の撒き餌に群がる事は他に例を見ない光景です。
千葉県では唯一特別天然記念物に指定されていて、エリアは200ヘクタールの海域と陸地で海域内では釣り等の遊漁が禁止されています。
本来、マダイは比較的深い層を回遊する魚で、水深10〜30mの浅い海域に定住する事はありません。この鯛の浦は古くから名物とされ、手漕ぎの和船でタイ見物をさせていたそうで、昭和になってからは更に広く知られるようになり、現在に至ります。
鯛にまつわる鯛の浦会館
日蓮にゆかりがあるとされた真鯛のため誕生寺内には鯛供養碑が建立されており、毎年1月18日に鯛供養が行われます。この鯛供養の資料は、乗船場にもなっている鯛の浦会館の2階に展示されています。また、鴨川市に併合される前の旧天津小湊町が、ふるさと創生事業で平成3年3月に完成した鯛神輿も展示されています。鯛神輿は全国的にも珍しい神輿(みこし)の宮にあたる部分が波に舞う黄金の鯛になっています。その内部には完成から30年後の2021年に開封する、当時の天津小湊町民の将来への夢などが書き記された巻物「鯛夢カプセル」を収納しています。
鯛の浦会館では他に1階で小湊のみやげや特産品を販売、3階の展望室からは鯛の浦のある内浦湾が一望できます。
日蓮誕生の地小湊
日蓮宗は鎌倉時代中期に日蓮によって興されたものですが、ここ小湊はその日蓮誕生の地として知られています。組合がある鯛の浦会館に隣接して日蓮の誕生を記念して誕生した誕生寺があります。
鯛の浦という名称は、日蓮が誕生した際この場所には鯛が飛び跳ね、ハスの花が咲き乱れたと言い伝えがあり、この海域を「鯛の浦」と名付けて漁を禁じたという話から鯛の浦という名がついたという伝説があります。
また、日蓮が両親の供養に小舟で訪れた際にも海に題目を唱えると、海面に題目の文字が現れ、次いで現れた鯛の群れが題目を食べつくしたという伝説も残っています。
地元では日蓮との関係が深いこの地域では、鯛は日蓮聖人の化身だとして700年以上の間禁漁が守られています。
伝説はさておいても、通常は回遊する真鯛が何故この海域に群生しているかは未だ科学的に解明されていません。今はこの貴重な海域の真鯛の管理と保護は、私たち妙の浦遊覧船協業組合が担い後世へと引き継げいでいこうと頑張っております。この記事を読んでくださった方も一度は鯛の浦にいらしてください。
●関連情報
鯛の浦遊覧船
〒299-5501 千葉県鴨川市小湊183-8
■営業時間:年中無休
運航時間は不定期です。お客様が来られた時点で、出航時間を決めています。
但し、荒天時は欠航となりますので、電話等で運航状況の確認をお願いします。
4月~9月 8時30分 ~ 15時50分(最終便)
3月・10月 8時30分 ~ 15時20分(最終便)
11月~2月 8時30分 ~ 14時50分(最終便)
■乗船料金(乗船時間:約25分)
※最新情報は鯛の浦遊覧船ホームページ URL:
http://www.tainoura.jp/にてご確認ください。
(2018/1/6)